プレゼント ページ20
「じゃあ、今度の土曜日…午後なんだけど大丈夫？」
「はい、分かりました」
「ソンス駅のホームで待ち合わせしようか」
「分かりました、ホームのどこら辺にいれば良いですかね」
カトクのIDも交換して、ソンフンさんと具体的に予定を詰めていく。
「いらっしゃーい」
するとキッチンの奥からお祖母ちゃんの声がした。
私は一旦ソンフンさんに頭を下げて、席を立つ。
「いらっしゃいま…」
「あ、こんばんは…」
入り口から入って来たのはジェイクさん。
こんな時間になぜ…？
「どうしたんですか？食事？」
「あ、いや…これを渡しに来ただけで」
「え？」
小さな紙袋を差し出される。
首を傾げながら受け取った。
「これは…」
「ニキヌナに」
「え………？」
紙袋の紐にリボンが結んであって、隙間から中を覗くとピンクの小箱がある。
「良かったら…あの、使って」
大きさ、重さ的に化粧品ぽい感じ。
「え、何でこれを…私に…」
「うーんと、気にいるかな…と思って」
気にいるかな、と思って？
そんな気分で何かをあげちゃう人なの、ジェイクさんて。
「あ、ありがとうございます…？」
「じゃあ…行くね。また」
「はい……ありがとうございました…」
私が頭を下げると、片手を上げて彼は去っていった。
見えなくなるまで見送ると、私は紙袋の持ち手を引っ張って中身を再確認した。
「うーん…なんだろ？化粧水？」
私が入り口で紙袋の中をじっと見てると、背後から視線をものすごく感じる…。
「…………」
振り返ると片手で顎を触ったままのポーズでソンフンさんがこっちを見ていた。
ウチの店には似つかわしくない、ファッションモデル一名。
「…今のって」
「あ、そうだ。ソンフンさん、今の方は知ってます？」
紙袋を覗くのを一旦辞めて、私はまたソンフンさんがいる席へと戻った。
「見たことあるけど…」
「ニキと最近仲のいい練習生のジェイクさんって言うんですけど」
「その人が何でここに…？」
「なんか、貰いました」
私がそう言ってジェイクさんから受け取った紙袋をソンフンさんに見せる。
ソンフンさんは紙袋の隙間に指を隙間に入れて中を覗いた。
「香水…？」
「え、そうなんですか？」
リボンを解いて、中からさっき見たピンクの小箱を取り出す。
箱を開けたらピンクの小瓶が出て来た。
「ホントだ、香水」
「…なるほどね」
「ソンフンさん？」
私が名前を呼ぶと、彼は私を見つめて言う。
「男が女に香水を贈る意味、知ってる？」
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eng(プロフ) - 依鈴さん» ありがとうございます！気づけば長くなってしまいましたが、引き続きよろしくです^ ^ (3月4日 17時) (
レス) id: c7224089dc (このIDを非表示/違反報告)
依鈴(プロフ) - 続編楽しみにしてました〜！面白いです！毎日楽しみにしてます！ (3月4日 16時) (レス) id: 71a1970ec1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：eng | 作成日時：2024年3月4日 14時
