事の経緯 ページ15
「私も探しに行きます、どーせ次の授業まで時間あるんで」
「えっ」
「早く探しましょう」
背後の司令塔がめっちゃ追い出せ的なジェスチャーをしてくるので、仕方なく私はソヌ先輩の腕を掴んで図書室の出入り口へ向かう。
「ほんと？助かるけど…」
「いつも頑張ってるから、お手伝いさせてください」
ソヌ先輩にバレない様、後ろを向くと。
「………！」
堂々と姿を現して笑顔で大きく手を振るジェイ先輩の姿。
「あいつ…」
実はソヌ先輩が来た時、私はジェイ先輩のお膝元に座らされて見つめられる…というかガン見って言った方が正しいかな。
まあ鋭い眼光を浴びてたんですけど。
「あ、ソヌがくる」
「…え？どこから？」
キョロキョロと辺りを見ていると、ジェイ先輩は椅子から立ち上がる。
「隠れるぞ」
「わっ」
その拍子に私が転げそうになると、先輩は私を両腕で受け止めた。
「あっち」
「あ、ちょっと」
そのまま私を腕で抱き上げて図書室奥の本棚が並ぶエリアへ向かう。
「ちょ、わっ、怖っ」
「暴れるなって」
大きくなってから誰かに抱き上げられさらにはそのまま走られたことのない私は不安定な状態にめちゃくちゃ恐怖。
そんな私にお構いなしに最適な隠れ場所を探してるのか本棚をウロウロと動き回る先輩。
「ちょ、下ろしてくださいって」
「あ、ここがいい。ちょうど死角」
そして私はジェイ先輩のせいで本棚で息を潜める羽目になったとさ。
おしまい。
「 Aがサボってんのめずらしくない？ジョンウォナは一緒に居なかったの？」
「あ…」
今頃ヤンくん怒ってるかも知れない。
うちのクラス、普段からサボる様な子居ないもんな…
「このまま帰りたい…」
「なに、具合でも悪いの？保健室行く？」
そっか…保健室行って体調悪いってことにしておく？
でもそんな悪知恵で騙すのも、天使なヤンくんに悪いし…
「どうすんのよ」
「自首するか…完全犯罪か…」
「おーい、どうした？」
立ち止まって目を瞑り、腕を組む。
私の中の悪魔と天使がせめぎ合う。
「はぁ…っ、Aさん！」
「あ、ジョンウォナ」
迷うまでもなく先に発見されてしまった…
「はぁ、良かった…見つかって」
「え、もしかして…探してくれてた？」
息を整えながらヤンくんは困った顔して私を見た。
「愛されてる〜」
ソヌ先輩がにっこり笑う。
「委員会の後に、図書室行ったら鍵閉まってたして教室には居ないし」
「えっ…鍵？」
ソヌ先輩を見るとキョトン顔で私を見た。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 55人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
eng(プロフ) - 依鈴さん» ありがとうございます！気づけば長くなってしまいましたが、引き続きよろしくです^ ^ (3月4日 17時) (
レス) id: c7224089dc (このIDを非表示/違反報告)
依鈴(プロフ) - 続編楽しみにしてました〜！面白いです！毎日楽しみにしてます！ (3月4日 16時) (レス) id: 71a1970ec1 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：eng | 作成日時：2024年3月4日 14時
