お昼寝からの目覚め ページ13
程よい温度と湿度、そして満たされた満腹中枢。
環境音が少し遠くの方で聞こえる程度の静けさ。
そして爽やかな香りが微かに香る空間…
熟睡するには最適な条件が揃っていたんだと思う。
「ん…」
アラーム掛けたのに鳴らなかったのかな。
少し寝過ぎた様な気がして、枕代わりに頭の下に置いていた右腕がちょっと痛い。
「…ん？」
でも左手も何だか少し痛い。
スマホを握っていたまま寝たせいで、筋肉が強張っているのかも。
「…………ん」
いや違う…。
私の手をぎゅっと握りしめる、骨張った男子の手のせい。
「ちょ、起きて下さい…」
「…なに」
「なにじゃなくて、寝過ごしちゃったんですよ…私たち」
図書室にあった壁掛け時計を見ると、もう午後の授業が始まってとっくに30分経っている。
「いま何時」
「14時です」
「もういいか…どーせ教室入る頃には終わるだろ」
「あー…せっかくの皆勤賞が」
いやもう寝過ごしてる時点で終わってますけどね。
「てゆーか…手、離して下さい」
「ん？ああ」
私が言うとスマホの上に置いた手を掴んでいたジェイ先輩の手が離れる。
私の手も退けてスマホを見るとタイマーは確実に人力で止められた痕跡がある。
「絶対先輩が止めてますよね」
私アラーム音鳴ったらほぼ確実に起きるもん。
「…うん」
あ、白状した。
「いや自分で起こせって言ったのに」
「まだ…居て欲しくて」
「…へ？」
真顔で真っ直ぐ見られると怖いよ。
でも、目は閉じてはいけないってヤンくんの教えは守らなければ。
「あ、扉開けておくの忘れてた」
「行くなよ」
椅子から立ち上がったけれど、腕を引っ張られてまた椅子に座り直す。
振り返ると私の腕をまあまあな力で掴んだジェイ先輩がいた。
「な…なんですか？」
「寝てる時に色々考えてたんだよ」
「何を…？」
「Aが今のところ1番俺に合ってるんじゃないかって。世の女の中で」
いや世の中対象なら絶対、他にいるだろ…
私はあなたの話にずっとついて行ける忍耐力はありません。
「興味湧いた」
「……もっと世界を見ましょうよ」
「俺の実家以外のことで食いついた女はお前が初めてだし」
「いや頭の中では結構ジェイ先輩のお家のことは考察してましたけど」
するとめっちゃ引っ張られて、私の身体が先輩の膝の上に移動する。
「な、なに」
「会話出来てるだろ」
「会話出来てるだけですよ」
「…………。」
あ、ちょっと待って。
この先輩の目つきに危険を察知。
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eng(プロフ) - 依鈴さん» ありがとうございます！気づけば長くなってしまいましたが、引き続きよろしくです^ ^ (3月4日 17時) (
レス) id: c7224089dc (このIDを非表示/違反報告)
依鈴(プロフ) - 続編楽しみにしてました〜！面白いです！毎日楽しみにしてます！ (3月4日 16時) (レス) id: 71a1970ec1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：eng | 作成日時：2024年3月4日 14時
