アリよりのナシ ページ12
なんか嬉しいはずの言葉なんだけど…
そんなに嬉しくないのは言い方のせいなのか？
「俺は？俺はアリかナシかで言ったら？」
「アリよりの…ナシ」
「何でだよ」
私の返答にご不満の様子。
「見た目は完璧ですよ…悔しいけど初めて見た時から顔整ってるなーって思ってたし。スタイルもいいし」
「それで何が気に入らないの」
「…黙ってればアリ」
私がそう言うとジェイ先輩は黙った。
「…何でみんな同じことを言うんだよ」
でも黙ってられなかった。
「会話っていう概念は知ってます？」
「バカにしてんの？」
「先輩の会話はキャッチボールができてないんです。例えるならものすごい力で投げる遠投をひたすら繰り返してるみたいな…？」
私がそう言うと罰が悪そうな顔をして図書室の机に突っ伏した。
「いやー痛いとこ突くね、お前はたまに」
「まーでも…」
お昼を食べ終えてちょっと眠くなってきた私も同じ様に腕を枕にして机に伏せる。
「ジェイ先輩が強烈に興味の持てる女子に出逢ってないだけですよ」
「…そう？」
「興味があれば何でも聞きたくなるもんですよ、そうすれば会話って自然にできるんじゃないんですかね」
「なるほどな…」
あーなんかマジで眠くなったっぽい。
次の授業まで少しあるから寝ちゃおうかな…
「なー、あと20分したら起こして」
「えー…」
ジェイ先輩も眠気に襲われてるのか、私の視界からは見えないけど寝る体制に入ってるっぽい。
仕方なく手元にあるスマホを開いてタイマーを20分後にセットした。
「おやすみ」
最後に聞こえたのはめずらしく少し甘ったるくて掠れたジェイ先輩の声だった。
「おやすみなさい」
私はそれが何だか面白くて声を出さずにフッと笑った。
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eng(プロフ) - 依鈴さん» ありがとうございます！気づけば長くなってしまいましたが、引き続きよろしくです^ ^ (3月4日 17時) (
レス) id: c7224089dc (このIDを非表示/違反報告)
依鈴(プロフ) - 続編楽しみにしてました〜！面白いです！毎日楽しみにしてます！ (3月4日 16時) (レス) id: 71a1970ec1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：eng | 作成日時：2024年3月4日 14時
