ザイオンス効果とは ページ2
「…………ん？」
なんか今、マジで意味がわからないこと言われたような気がする。
「彼氏いるの？」
「知ってますよね」
「じゃあ好きな人は？」
「特に居ませんけど」
言ってて悲しくなるな。
これでもいちおうJKなんだよ？
「じゃあ問題ない」
「いやいやいやいや」
「なんで？俺はタイプじゃない？」
「タイプ…あったっけ？私」
よく考えたら理想のタイプってなかった…
そもそも恋愛について深く考えたこともない、考えるきっかけにもなる出来事すらなかった。
我ながら寂しすぎる。
「知っていけば好きになるかも」
「可能性はなくはないけど」
「見た目もそんな悪くないし、背も高いし」
「自分でそれ言うんですか」
悔しいけど否定はできない。
そもそも韓国のアイドル事務所の練習生なんて人間レベルが一般人よりはるかに高いに決まってる。
でもそんな人なら私に頼まなくてもどっかから女子が湧いて出るのでは…？
「絶対音感あって、ギターも弾けるしピアノも出来る」
「演奏を聴いてみないと」
「英語もそこそこ話せるし」
めっちゃアピールしてくるじゃん。
そもそも好みのタイプがない私に色々言われても何が刺さるのかすら分からんし。
「…そんなにダメ？」
「え？」
「やっぱり気に入って貰えないか」
なんかシュンとした顔が、草食動物みたいに弱々しく見える。
守ってあげたくなるというのだろうか…？
というより保護しないとこの仔は儚く消えていきそう…
そんな憂いを帯びている感じ？
「分かりました」
「…ん？」
「あの…男性を好きになったことないんでよく分からないんですけど」
私がそう言うと、草食ボーイが顔を上げる。
いや、どっちかと言えばこれまでの言動はかなり肉食っぽいが。
「ザイオンス効果が自分にも当てはまるのか試してみたいです」
「………は？」
草食ボーイが私の提案に眉間に皺を寄せる。
「…簡単に言うとたくさん会って相手を知っていくと好きになる、って心理現象です」
「心理現象…？」
「だから、これから定期的に会って情報を下さい」
自分でも分かってる。
こんなこと言うのほんとマジでモテない女だな…って。
でも他になんて言ったら良いんですか？
「つまり…俺にこれからも会いたいってこと？」
「ん…ま、ざっくり言うと？」
納得したのかうんうんと頷いて、彼が右手を差し出した。
「じゃあ…これからよろしく、俺の名前はヒスン」
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eng(プロフ) - 依鈴さん» ありがとうございます！気づけば長くなってしまいましたが、引き続きよろしくです^ ^ (3月4日 17時) (
レス) id: c7224089dc (このIDを非表示/違反報告)
依鈴(プロフ) - 続編楽しみにしてました〜！面白いです！毎日楽しみにしてます！ (3月4日 16時) (レス) id: 71a1970ec1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：eng | 作成日時：2024年3月4日 14時
