黒歴史を消す方法 ページ1
さっきまでいた、人が多く集まるソウル側のエリアを抜け出して、私とバスケ少年は真逆にある公園の東側へ来ていた。
一つのベンチに座るけど、人ひとり分距離は開いている。
「あの…」
「ん？」
バスケットボールをくるくると器用に両手で回すのを見ながら何とか声を発した。
「この前のことなんですけど…」
「うん」
私が話し始めるとボールを回す手を止めて、地面に置く。
そして長い脚に肘をついて、支えた頭を私に向けた。
顔小さい、少しだけ覗いてる目も大き…って見ちゃダメだ。
男をじっと見るなってソヌ先輩の言いつけを守らないと。
「なに？母胎ソロじゃくなったって？」
「ちが…それは変わらないんですけどー」
変わったって言ってやりたかったわー。
このまま一生言えなかったらどうしよ。
「なかったことにしません？」
「え？」
「私が言ったこと全部、なかったことに…」
するとバスケくんはあははっと声を出して笑う。
「なに、それを言いに追っかけて来たの？」
「だって…黒歴史」
「てっきり文句言いに来たのかと思った」
私がチラッと見ると、彼は少し間を詰めて座り直す。
「あの時はごめん。ちょっと嫌なことがあって…つい当たっちゃったんだ」
「え？」
「ニキとジェイクだろ、一緒に居るの」
「知ってたんですか？」
すると彼は被っていたキャップを脱いで髪の毛を無造作に整える。
「俺、あいつらの先輩なんだよね」
「…やっぱり」
「知ってたんだ？」
マスクを取ると、綺麗な顔が出て来た。
「何となく…勘ですけど」
「ま、最近みんなとは距離とってるけど」
「あー、あの謎ルール…」
お馴染みのお喋り禁止令。
だからジェイさんはそれに耐えられず、学校であんなにマシンガントークを繰り広げてるのか？
「ルールというよりは自主的にかな」
「ん？」
「なんか今ちょっとやさぐれててさ」
横顔が悲しそうに見える。
何かあったのかな…
聞かない優しさっていうのもあるよね。
うん、関わるのはやめておこう。
「楽しそうにしてる人見るとちょっとイラッとしちゃって」
「あ、そうですか…」
これ話す流れになってない？
余計なこと聞かないようにしようと思ったのに…
「人の幸せを今は喜べない」
「…………」
「ずっと頑張って来たけど…ちょっと今は頑張れない」
えーと、なんか落ち込んでる…んだよね。
こういう時って何言えば良いの？
こっそりググれたら良いのに！
「だからさ、」
「はい？」
「俺のこと好きになってくれない？」
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eng(プロフ) - 依鈴さん» ありがとうございます！気づけば長くなってしまいましたが、引き続きよろしくです^ ^ (3月4日 17時) (
レス) id: c7224089dc (このIDを非表示/違反報告)
依鈴(プロフ) - 続編楽しみにしてました〜！面白いです！毎日楽しみにしてます！ (3月4日 16時) (レス) id: 71a1970ec1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：eng | 作成日時：2024年3月4日 14時
