甘い囁き。６

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Aside






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A「しょうにぃ…」


周りからの視線を感じつつも
目の前にいるしょうにぃから目が離せない。





勝利「また服かぶってるじゃん。」


A「え？」


勝利「ほら。」



唐突に言われて戸惑う。
しょうにぃはスーツを指差した。


確かに私は白のワンピースに
淡いピンクのカーディガンを羽織ってるって格好だけど…





A「私のせいじゃないしっ。」


思わず言い返してしまう。
やばいって思ったけどもう遅い。




勝利「俺のせいでもない。てかなんでそんな格好してんの？」


A「こっちのセリフだよ！」


勝利「この日のために持ってきたんだ。」

嬉しそうに言うしょうにぃ。



A「しょうにぃ、正装の意味わかってない…」


勝利「あ？親に挨拶に行くんだからいいじゃん。」


A「いや…スーツとかありえないでしょ。」





ほんとはこの間のこと、謝らないといけないのに
ついいつものくせで言い合ってしまう。






勝利「っはぁ…もういいよ。あとで俺んとこ来て。」


ため息をつきながら言われる。



そんなしょうにぃの疲れた顔を見ると
不意に申し訳なさが戻ってきて









A「この間は、ごめんっ…」


立ち去ろうとしたしょうにぃの
スーツの裾を掴んだ。



しばらく、沈黙が続く。




絶えず鳴り続ける私の鼓動。
無意識に掴む手の力が強くなる。









・









勝利「…もういいよ。この前は俺も悪かった。」



掴んでた手の力がふっと抜けて
スーツの裾がｽﾙｯと離れた。


早口でつぶやいて
どこかに行ってしまったしょうにぃ。




今さら緊張が押し寄せてきて
踏ん張らないと座り込みそうになる。



A「よかったぁ…」


言葉にすると気持ちも楽になった。
憂鬱な気分もどっかにいった。



気を遣って離れたところにいてくれた
マリくんと優心ちゃんの側に駆け寄る。





その刹那＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿









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・









「楽しそうだね。」




背後で冷たい声がした。





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