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Aside













気まずい沈黙。
なぜかしょうにぃから無言の圧力がかかってきてる。




A「しょ、しょうにぃ…」


勝利「何。」



間髪を入れずに返事が返ってきた。
声が機嫌の悪さを語ってる。




A「機嫌、悪い?」


こうなったら直接聞いてしまった方が早い。
しょうにぃの扱いにはもう慣れている。

そう思うと、なんだか悲しくなった。





勝利「悪い。」

ぶすっとした声。



A「起きられなかったのは謝るから。」


どうせ私が起きなかったせいで帰るの遅くなった、
とかなんとか拗ねるんでしょ。






勝利「そんなのどうでもいいよ。」


A「え、違うの?」


思わずしょうにぃの方を見てしまう。
暗くなってて顔はよく見えないけど、シルエットがやけに綺麗。



今思えば、しょうにぃも私が起きるの待っててくれたんだ…
先に帰ってもよかったのに。待っててくれた。



“ ありがとう ”

そう言おうと思ったけど、なんだか照れくさてやめた。








勝利「誰かさんが、さっきから暗いから〜」


勝利「こっちまで不機嫌になる。」




A「…それ私?」


勝利「お前以外に誰がいるんだよ。」


またすぐに返ってきた返事。




冗談めいた口調と、呆れた口調。
もう機嫌が直ってる。





勝利「何かあった?」


A「…別に?」



しょうにぃ、どうしたの?
なんで今日はそんな態度なの?





勝利「なんかあったら言えよ。」


A「なんで?」


勝利「は?」


私の返事に
しょうにぃが目を見開くのがわかる。




なんでしょうにぃに言わないといけないの?
言えるわけないじゃん。



ただの他人になって、泣きそうです。
なんて言えるはずない。



心の中で思ってる今だって、
考えるだけで苦しいのに。




それに、兄妹じゃなくなったんだから
もう“ しょうにぃ ”って呼べない。


だってお兄ちゃんじゃないし。
もともと血も繋がってないし。



それに、それに――――――――









勝利「おい、どうした?」


突然、立ち止まった私に
しょうにぃが顔を覗き込んでくる。


しょうにぃの綺麗な瞳に
真っ青な顔をした私が映る。






A「なんでもない。」


私は声を絞り出した。
しょうにぃが不審そうに見つめる中
ひたすら足を進める。



早足で歩くけど
私の頭の中には、新しい方程式が浮かんで消えなかった。



















兄妹じゃない=他人=“ 同居できない ”





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☆ひー☆(☆u∂) - わ~すごい続き気になります♪頑張ってください!! (2014年6月23日 23時) (レス) id: 6218aee476 (このIDを非表示/違反報告)
スー(プロフ) - 勝利君と主人公ちゃんがどうなるかとっても気になります! (2014年6月23日 18時) (レス) id: 87ef2f2be1 (このIDを非表示/違反報告)
ドイヤちゃん&グミちゃん(プロフ) - めっちゃキュンってきましたぁ〜////続き、楽しみにまってます^ ^ (2014年6月23日 18時) (レス) id: cd9af8fd32 (このIDを非表示/違反報告)
Arcana(プロフ) - 切ないですー・・・。はやくくっつかせてあげて欲しいです笑 (2014年6月22日 18時) (レス) id: 4aed5eb105 (このIDを非表示/違反報告)
みー(プロフ) - 続きが気になります!!!更新楽しみにしてますね! (2014年6月22日 15時) (レス) id: 829ff09d45 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:*シャルル* | 作成日時:2014年5月7日 20時

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