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優心side













健くんがずっと好きだった。


健くんは私に優しくしてくれてた。
他の人との関係なんて疑ってもなかった。




「あんた、健人のなんなの?」


今でも蘇るあの声。
それもひとりじゃない。




「みんなの健人なんだから、邪魔しないでよ。」


「彼女顔しないでくれる?」




私は信じられなかった。信じたくなかった。
健くんは私のことを大切にしてくれてる。そう信じてた。




だけど、現実はそう甘くなかった。


私は“ 彼女 ”っていう名前だけの
厄介払いにすぎなかった。


怒りと、悔しさと、情けなさが
私の心を引き裂いた。




でもそれより、健くんに裏切られた方が
よっぽどつらかった。





別れてからもずっと好きだった。
姿を見かけては目で追っていた。
だから同じ高校に入った。
それほど彼が好きだった。



健くんは生徒会だってことを知って
秘書役に立候補した。


そのときAを知った。
それと、健くんの気持ちも。




健くんは人が変わってた。
多分Aのせいだと思う。


初めて見た。
あんなに必死な健くん。



それまでの好きって気持ちはことごとく打ち砕かれた。
私はもう望みがないんだな…


だったら、健くんが笑ってるところを見たかった。
初めて好きなになった人と上手くいって欲しかった。






だから、私は、悪者役になった。


表側では復讐という醜い役をかってでた。
でも裏側は、普通の女子だった。ただ好きな人に幸せになってほしい女子。




Aは勝利くんのことを好きそうだったから
私は勝利くんと仲良くして、それを見せつけた。


それでAが勝利くんを諦めて
健くんと上手くいってくれれば、それでよかった。


健くんが私のことなんとも思ってないのは知ってたし、
嫌われても健くんが幸せならそれでいいって思った。






健人「ちょっ、待って。え、何言ってんの。は…?」



一度息を吸い直した隙に
健くんが口を挟んだ。


明らかに動揺してる。
私は先を続けた。




勝利くんとAちゃんは義理の兄妹だったから
すぐにうまくいくだろうって思ってたけど
いろんなことがありすぎて、結局上手くいってないね。



でも私はAと同じクラスになって
Aのことを好きになってしまった。


Aの恋も応援したくなった。
だから復讐はやめることにした。



Aの恋の応援もしたかったし、それに――――








優心「今の健くん、幸せそうじゃないんだもん。」





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☆ひー☆(☆u∂) - わ~すごい続き気になります♪頑張ってください!! (2014年6月23日 23時) (レス) id: 6218aee476 (このIDを非表示/違反報告)
スー(プロフ) - 勝利君と主人公ちゃんがどうなるかとっても気になります! (2014年6月23日 18時) (レス) id: 87ef2f2be1 (このIDを非表示/違反報告)
ドイヤちゃん&グミちゃん(プロフ) - めっちゃキュンってきましたぁ〜////続き、楽しみにまってます^ ^ (2014年6月23日 18時) (レス) id: cd9af8fd32 (このIDを非表示/違反報告)
Arcana(プロフ) - 切ないですー・・・。はやくくっつかせてあげて欲しいです笑 (2014年6月22日 18時) (レス) id: 4aed5eb105 (このIDを非表示/違反報告)
みー(プロフ) - 続きが気になります!!!更新楽しみにしてますね! (2014年6月22日 15時) (レス) id: 829ff09d45 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:*シャルル* | 作成日時:2014年5月7日 20時

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