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「A、行くぞ」
部活終了後、神童先輩が迎えに来てくれた。
近くにいた葵ちゃんが、「先輩と帰るの?」と聞いてくる。
私は少し赤くなってこくりと頷いた。
「そっか。今度は私と帰ろうね!」
「うん、また明日」
偶然にも、私と先輩の家の方向は同じだった。
一緒にいられる時間が長くなると思うと、嬉しい。
「A」
「なんですか?」
先輩がコホン、と咳払いをする。
「……俺たちが付き合ってること……二人だけの秘密にしないか?」
つ、付き合ってる。
先輩の話の内容よりも、その言葉に思い切り反応してしまった。
「そうですね。やっぱり……」
みんなに知られるのは、ちょっと恥ずかしい。
そういう気持ちがあった。
「恥ずかしいですもんね……」
「まあ、な……」
私たちは苦笑した。
でも、二人だけの秘密ってなんだか素敵だな。
みんなにバレないようにデート……とか。
「A?」
はっと我に返る。
恥ずかしい。にやけてなかったかな。
先輩の顔をちら、と見た。
こういうときは大抵、目が合うもので。
私は驚いて目を逸らした。
「A」
「は、はい?」
返事をすると、何も言わずにそっと手を握られた。
先輩のぬくもりが伝わって、胸が高鳴る。
「いつか、キスだって……」
「? なにか言いましたか?」
「っな、何でもない!」
「……?」
先輩とずっと一緒にいたいな。来年も、再来年も……
ずっとずっと、その先も。
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みはや@ユキ(プロフ) - はい、太陽待ってます(´>ω<`) (2014年6月8日 20時) (レス) id: 19f6d1e49c (このIDを非表示/違反報告)
にょあ(プロフ) - みはや@ユキさん» ありがとうございます^^ 太陽くんの小説、もうすぐ公開できると思います……! 頑張ります!! (2014年6月8日 9時) (レス) id: 1ca1660501 (このIDを非表示/違反報告)
みはや@ユキ(プロフ) - 完結おめでとうございます!(*´`)最後どうなるのかドキドキでした!次の作品楽しみにしてます...♪*゚ (2014年6月7日 19時) (レス) id: 19f6d1e49c (このIDを非表示/違反報告)
にょあ(プロフ) - 吹雪士郎さん» ありがとうございます! 頑張ります^^ (2014年5月12日 18時) (レス) id: 1ca1660501 (このIDを非表示/違反報告)
吹雪士郎(プロフ) - この話読んでると、スゴくドキドキします!更新頑張ってください! (2014年5月11日 11時) (レス) id: c744ac91f4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:にょあ | 作成日時:2014年5月5日 1時