11*【神童side】 ページ14
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「Aのことが、好きだ」
硬直していた俺は、剣城のその言葉で我に返った。
突然のことに驚き、後ずさるAが見える。
心臓がドク、と不気味な音をたてた。
「……お前は俺のこと、どう思ってる」
「どうって……」
Aが剣城から顔を逸らした。
自分の心臓の音だけが聞こえる。
俺の視界にはAと剣城しかいなくて、周りは全く見えていなかった。
「俺の目を見ろ」
「……っ!」
剣城がAを壁に押し付けた、と同時に
俺の中で何かがプツン、と切れた。
「Aから離れろ!」
「拓人先輩……?!」
剣城の肩を押す。
俺はAをやさしく抱き寄せた。
「Aに触れていいのは俺だけだ……!」
「先輩……」
抱きしめる力を強めると、Aが抱きしめ返してくれた。
ふっと風が吹いた。ツ、と頬に涙が伝う。
Aと、ずっと一緒にいたい――――
「……なんか、お邪魔みたいだね」
「戻ろっか」
剣城の告白は俺たちが付き合っているかどうかはっきりさせるための嘘だったと後から知り、
しばらくAと顔を合わせられなかった。
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みはや@ユキ(プロフ) - はい、太陽待ってます(´>ω<`) (2014年6月8日 20時) (レス) id: 19f6d1e49c (このIDを非表示/違反報告)
にょあ(プロフ) - みはや@ユキさん» ありがとうございます^^ 太陽くんの小説、もうすぐ公開できると思います……! 頑張ります!! (2014年6月8日 9時) (レス) id: 1ca1660501 (このIDを非表示/違反報告)
みはや@ユキ(プロフ) - 完結おめでとうございます!(*´`)最後どうなるのかドキドキでした!次の作品楽しみにしてます...♪*゚ (2014年6月7日 19時) (レス) id: 19f6d1e49c (このIDを非表示/違反報告)
にょあ(プロフ) - 吹雪士郎さん» ありがとうございます! 頑張ります^^ (2014年5月12日 18時) (レス) id: 1ca1660501 (このIDを非表示/違反報告)
吹雪士郎(プロフ) - この話読んでると、スゴくドキドキします!更新頑張ってください! (2014年5月11日 11時) (レス) id: c744ac91f4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:にょあ | 作成日時:2014年5月5日 1時