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小山side
思った以上にはやくリビングに戻ってきた増田くん
え...?もう片付け終わったの?
聞くと全部は終わってないが必要なものは片付け終えたみたい
さすが...しっかりしてるな
加「なぁ...増田くんってなんて呼べばいい?」
増「ぇ...ぁ...すきなようによんでください」
加「てかなんで敬語なんだよ
それ禁止な...貴久」
増「ぇ...でもっ...ぇっと...」
うわ...この人しれっと呼び捨てしちゃってるよ
まぁ...俺もそうしよ
敬語禁止ってのも俺的には賛成だけど貴久的には難しそう...
すでに戸惑っちゃってうまく言葉が発せなくなっちゃってるもん(苦笑)
小「無理して敬語やめる必要はないよ
少しずつ慣れてこ?」
増「っ...はぃ」
加「てかさ貴久はなんでこの村に来たの?
東京の大きい病院にいたのにこんな小さな村の診療所に来るなんて...
どう考えても向こうに残った方が得策だろうに...貴久って変わってんな」
加藤くん...言いたいことは分かるけどズバズバ言い過ぎじゃ...?
貴久にだって考えがあってこの村にきたんだろうし...そんな否定するような言い方されちゃ貴久が可哀想
増「だって...僕...向いてないですもん
コミュニケーションは苦手ですし...元から都会暮らしには向いてなかったんです
...だめですか?やっぱり僕...必要ないですか?
ごめんなさいっ...邪魔にならないようにします
だから...だからここにいさせてください」
一瞬顔を曇らせた貴久はすぐに貼り付けたような笑顔を浮かべるもそれは長くは続かなかった
だんだん彼は自分のことを責めはじめ苦しそうに顔が歪んだ
あまりにもいきなりのことで焦ったがどちらからともなく身体は勝手に動いていた
2人で小さな貴久をぎゅっと抱きしめる
貴久は一瞬肩をびくっと震わせたがそのまま俺らに身を委ねてくれた
加「ちょっ! ごめんな...
あの質問に深い意味なんてなかったんだ
必要ないとか邪魔だとか思ってないから泣くなよ...」
小「貴久...貴久はここにいていいんだよ
大丈夫...俺らにとっちゃ貴久は大切な存在だよ」
増「ふぇ...ぐすっ...ほんと...?」
顔をあげ確認する貴久に向かって俺らは縦に頷いた
貴久は安心したように少しだけ微笑み徐々に涙もとまってきた
増「ごめっ...さぃ...も...だぃじょぶ...です」
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作者名:春季 | 作成日時:2022年7月24日 5時