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加藤side
貴久を落ち着かせてもう1度乱闘する予定の部屋の中に入ると聞こえてくる小山くんの怒声
珍し...でももう無駄だって
コイツには何言っても意味ないよ
加「小山くん...そこまでにしとけ」
小「あ...シゲ」
加「貴久が廊下で待ってる...
口じゃ分かんないようだしさっさと片付けようぜ」
茂知「...何よ
私は何も悪くない
それに...これ見てよ!
こんなに綺麗な指輪...アイツからは貰ったことない
あんなヤツと一緒にいたって一生手に入ることはない高価なものよ
指輪だけじゃない...バッグや服...靴...他にも色々...この人は私が欲しいって言ったものはなんでも買ってくれるの
私ね今幸せ...すっごく幸せ
あんな男のところに戻るのなんて二度とゴメンだし顔も見たくない」
うん...俺はもう怒る気力もなくなったよ
小山くんも流石に呆れた顔を浮かべていた
さっきまでは悲劇のヒロインぶってるかと思ってたけど...コイツ自分のことシンデレラか何かだと勘違いしてる(苦笑)
嬉しそうに見せびらかしてるその指輪...それレプリカだぞ
オレ...そういうの見分けるの得意だから分かるんだ
自分が身につけているものを偽物だと疑いもせずに見せびらかす女をただ哀れに思いながら見つめる
これは言うべきか...?それとも黙っててあげるべきか...?
親切に教えてやってもコイツの性格上オレの言葉なんて信じないだろうし下手したらヒステリックおこされかねない
うん...面倒くさそうだな...面倒事に関わるのはゴメンだ
それに...いつか偽物だと気づく日がきたら...と考えるとなんか面白い
まぁ...自分から気づく日は一生来ないだろうけど...
よし...黙っていよう
そう思ったのに...笑いが込み上げてきて我慢できなくなったオレは吹き出してしまった
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作者名：春季 | 作成日時：2022年12月19日 19時
