【残念イケメン】クロロにタゲられた

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着信
着信
着信


やばい。


オレ、なにか悪いことしちゃった?


そう言われると、悪いことはしてない。でも怖すぎる。


てかなんで急に私がターゲットになったの？

詐欺？ 貧乏すぎて、病院代が払えなくなりそうで困ってるとか？
たまにいるんだよね、訳ありで病院代が出せない人。


なんか変な人だなと思ったのは、相談先がなくて困ってる状況だったのかも？
確率としては低いけど、万が一を考えてちょっと心配してしまう自分がいる。スマホを握って思いふけっていたら、また着信が。

一応、出てみよう。


「はい……」

「良かった、出てくれて」


すごく安心していることが伝わる、優しい声。


「あの、なにかお困りなんですか？」

「オレが？ ……困ってると言えば、困ってる。どうしたら君と付き合えるか」


あ、やっぱりただの変な人だったわ。


「ルシルフルさん、もう切りますね」

「待って！ オレは真剣だよ。一目惚れって本当にあると思わなかった」

「……え？」

「今日会った瞬間に思った。恋って“落ちる”ものなんだって。自分ではコントロールできないから、辛いよ」

「あの、それ私にってことですか？」

「愚問だな。決まってるじゃないか。すごく可愛くて、しかも優しい。この通話も、オレがなにか困っているんじゃないかと思って出てくれたんだろう？」


その通りです。えっ、ただの変な人だと思ったのに、冷静で頭がキレる奴じゃん！ 初見殺しワロタ。気のせいか彼の地も出てきている感じがする。命のやり取りだったら、私もう死んでたなー。


「……すみません、頭がついて行きません」

「君も急に言われても困るのは分かるよ。だからオレのこと、もっと知ってくれたら良い」

「知りたいか知りたくないかの選択肢はないんですか？」

「残念だけどないかな。君を逃すなんて、考えられない」

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