【残念イケメン】クロロにタゲられた

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多分挙動不審だったよね、と。ああなんか違和感があったのはそれかぁ。
さっきまで物憂げな雰囲気のイケメンだったのに、急に饒舌になられて面食らう。

うーん、そして一般的にそれはこっちのセリフなのですが。


カフェコートの張りのある布は彼の胸板の逞しさを絶妙に装飾していた。私を閉じ込めるようにテーブルについた左腕は、ちょっとめくった袖から覗く筋肉が滑らかに隆起している。

これでコーヒーを淹れる姿はやばいだろうな。直視したらきっと目が潰れるからカウンターじゃなくて助かった(？)。


「あ、えーと、そんな風に思ってもらって嬉しいです……」


真正面から褒めちぎられるってそうそうない。彼は私に割と直球とは理解していたけど、やっぱり直球過ぎて受けきれないことの方が多い。


そしていつ触れようか迷ったけど、四人掛けボックス席でクロロさんは私の隣に座っている。
お店の制服姿の人が着席しているだけでもおかしいのに、空いている席でなく隣にいるもんだから更に奇妙だ。

加えてさっきから彼目当てと思われる人たちの視線も怖かった。


「クロロさん、あの、私とばっかり喋ってたら怒られちゃいません……？」

「あ、ごめんごめん」


自分の世界から戻ってきた彼は明るく笑って席を立つ。


「××時までだから、待ってて」


お願いだよ、と私の手をきゅっと一瞬握ってフロアに戻って行く。
私の返事を聞いているような でもちょっと強引なようなところはいつも通りだ。そしてそれに安心した自分がいる。



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