【残念イケメン】クロロにタゲられた

2 ページ39

先日のわらび餅の件で、クロロさんに対して少しすっきりした私は必要以上に彼を警戒するのをやめてみた。
そうして、単身彼のバイト先へ行ってみることにしたのだ。かつての「暇なとき来て」との言葉を真に受けてあのカフェに向かう。

扉を開けて中に入るとマスターと目が合った。「あ、来てくれたの？」と一度しか来ていないのに覚えてくれていたようだ、さすが接客業。


「クロロ君、あの子来てるよ」


マスターがバックヤードに向かって声を掛けると結構な勢いでクロロさんが出てきた。
一瞬硬い表情に見えたけど、彼は笑顔だ。こちらにウインクするマスターに会釈してクロロさんに席まで案内される。

カウンターにはぽつぽつと人が座っていたので私が通されたのは四人掛けボックス席だった。
あ〜今日は彼が作業している姿は見れないのかと残念な気持ちに。でも良いや、また来るから。


「来てくれたんだ」

「はい。お誘い頂いたので」

「不意打ちで焦ったよ」


あなたが焦るとかあるの？ 初診のときもそうだけど、整った顔に加えて 表情に落ち着きがありすぎるから割と分かんないんですけど。


ところで、カフェコートに身を包んだ彼は神がかって素敵だ。
だいたいこういう制服って白じゃん、せめてブラウン(すごく偏見)。なにその重厚感ある暗めのグレー、似合いすぎてやばいよ。クロロさんが私の制服姿も好きって言った気持ち、今なら分かる。

3→←金平糖

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す