幸村｢自他共に認めるミーハーは結構見込みのある子だった｣柳｢データが良く取れる｣

ミーハーです＊３８話(幸村) ページ39

ある日の休み時間。


幸村「柳、美術室行かないか？」

柳「そうだな、行くか」


修学旅行で気になっていた俺を描いたという絵。

この機会に見に行こうと思った。


？１「すごいよなぁ、A」

？２「な、しかも可愛いし」

？１「幸村様そっくり」

？２「この絵、ファンクラブにあげるらしいよ」

？１「え、もったいない！」

？２「今のうち見ておこう」

？１「ね」


美術室の外で話を聞いた。


柳「美術部員の二人だな」

幸村「後でまた見に来ようか」

柳「ならば、次の休みがいいだろうな」


次の休み時間、と言ってももう放課後。

美術室に入ったら緋姫さんがいた。


A「幸村様！柳くん！」

幸村「やぁ

君の描いた絵を見に来たんだ」

A「幸村様描いたこと、そんなに広まってるんですね…」

柳「二年の間では有名だな」

幸村「緋姫さんはなんでここに？」

A「私の作品に落書きされていると聞いたので来たんです

茶道部は休みました」


彼女の目の前にあったのは赤と青で乱雑に描かれたキャンパス。


柳「これは…」

A「私の絵です

幸村様に無許可で描いた幸村様の絵です」

幸村「誰がこんなことを…」

A「わかりません…っ

こんなに悔しいのは初めてですっ」


一度、見てみたかった。

俺に無許可だったのは別に構わない。

彼女は純粋に描きたかっただけだろうから。

柳の話によれば、その絵が県にまでいったとか。


幸村「柳、俺は遅れるって言っておいてくれ」

柳「わかった」


柳が美術室から出ていった。

俺は、何しているんだろうね。


A「すみません、幸村様

勝手にモデルにして…」

幸村「俺は構わないよ

それより、この絵…」

A「触ると汚れますよ、絵の具乾いてないので」


俺がキャンパスに触れようとしたら止められた。

緋姫さんの手は絵の具で汚れていた。

俯いて顔は伺えない、でも、泣いていたのは分かった。

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