報われる時 ページ19
しばらく抱きしめられていた私だったけど、
やっぱり嬉しさが勝ってしまって
私もおずおずと抱きしめ返した。
すると、上矢くんが更に強く抱きしめてきて、
私たちは無言で抱き合っていた。
…
そのうち、
上矢くんの顔がゆっくり近づいてきて、
キスされる…そう思った時、
上矢「…ッ、これ以上はヤバい。ごめん」
そう言って私を突き放した上矢くん。
…
私もあのまま抱き合ってたら
流されていたと思う。
話題を変えよう…そう思い、
私「ね、さっきの名刺の人に連絡して良いかな？
なんかちょっと怖いからさ、
上矢くんもここに居て欲しいの」
上矢「わかった」
…
私はベルカント音大の事務局に連絡を入れた。
…
話の内容を要約するとこうだ。
ラピスホテルバー常連の笹川先生は、
元々私のピアノを認めて下さっていた。
ただその頃はそんなに気を留めていなかったみたいだけど、私が受けた夏のオーディションに
笹川先生が審査員で来ていて、
私を入れてピアノカルテットをやりたいと
思って下さったらしい。
でも、オーディションの応募用紙に書いてある
電話番号は解約されていたし、
ラピスでも会えなくなって、笹川先生は
何とかマスターに頼んでくれたんだって。
事務局の人からはとりあえず、
今週に音大で笹川教授を訪ねるよう言われた。
…
電話を切って上矢くんに伝えると、
上矢「良かったな！
今までやってきたことが報われたってことなんだろ？
応援してる、頑張れ」
私「まだわかんないけど、
とにかく明後日伺ってみる」
上矢「ああ、それで良い話だったら
お祝いしよう」
…
そして、私はベルカント音大に足を踏み入れた。
ここの音大は元々パリにある
ベルカントコンセルヴァトワールの
創設者の息子さんが日本人と結婚し、
日本に作った音大だ。
だから、ここの音大に在籍しながら
気軽に留学も出来るため、
ベルカントは一流音大と名が知れている。
二流音大を卒業した私には
とても敷居の高い学校であることは確かだ。
ドキドキしながら、
聞いていた研究室を訪ねると。
…
笹川教授は意外と温和な方だった。
今まで何年も熱心な後進指導にあたり、
優秀な演奏家を育ててきた笹川教授。
定年まであと10年と近づいて来た頃から、
音大を卒業しても、演奏家として食べていけない
埋もれた音楽家に光を当ててあげるのも、
教師の仕事なのだと思い始めたのだそう。
…
そして、私もその1人に入ると仰って下さった。
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藍白 - 大丈夫です☆私この作品大好きなので頑張ってください。 (2018年8月23日 22時) (
レス) id: 3e873db44f (このIDを非表示/違反報告)
こちいこ(プロフ) - 藍白さん» いえいえ。これだけ夢主ちゃんが不幸続きだと心配になりますよね(汗)それでも、読んでくださってありがとうございます！藍白さんの望むストーリーじゃないかもしれませんが、夢主ちゃんを応援してあげてくださいませ。 (2018年8月22日 13時) (レス) id: 0b60cb1e95 (このIDを非表示/違反報告)
藍白 - こんな質問してごめんなさい!!この作品大好きなので頑張ってください((o(^∇^)o)) (2018年8月22日 12時) (レス) id: 3e873db44f (このIDを非表示/違反報告)
こちいこ(プロフ) - 藍白さん» 一応最後はハッピーエンドで終わる予定です…が、しばらく引っ張るかも知れません。 (2018年8月22日 6時) (レス) id: 0b60cb1e95 (このIDを非表示/違反報告)
藍白 - 夢主は幸せになれますか？ (2018年8月22日 2時) (レス) id: 3e873db44f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：こちいこ | 作成日時：2018年8月17日 12時
