検索窓
今日:1 hit、昨日:0 hit、合計:4,440 hit

再会とは ページ2

ハッと飛び起きた。

此処は何処かの医務室のようだ。
知らない天井だ…はこのような時に使う言葉だとアノ人が言っていた気がする。

「おや、起きたかい?」

綺麗な女の人が此方を覗き込んできた。

「太宰の奴がずぶ濡れのアンタを連れてきてね、昔の知り合いだと言っていたが…」

「太宰さん…?アノ人が此処にいるんですか?」

「ああ、いるよ。今連れてくるから待ってな。」


本当に太宰さんが居るのだろうか。だとしたら実に四年ぶりの再会か。そんな事を頭の片隅で考え乍ら部屋を見渡した。普通の医務室だと思って居たが、拘束台の様な物が有るのを見ると普通とは言えないだろう。


「目が覚めたかい?」


懐かしみを感じるその声にバッと振り向いた。

「本当に太宰さんだ…」

「四年ぶりだね。元気にしてたかい?」

「うん、元気。太宰さんも元気そうだね。」

「驚いたよ、今日も良い川だと思って入水しようとしたらAちゃんが流れて来るんだもの。」

「…川を見たら昔が懐かしくなってつい。」

「ああ。君は私の入水をよく邪魔してたからね。」


懐かしんでいるかの様な声色だ。


「此処は何処?」

「武装探偵社だよ。とは言っても君のことだ、予想はしてたのだろう?」

「まあ…貴方が行くなら此処かなって考えてはいた。」


そんな話をしていると、扉が勢いよく開いた。

「おい太宰、軍警から依頼が来た。明日から捜索を開始する手続きをしたから直ぐに此方へ来い。」

眼鏡を掛けた男の人は、太宰さんにそう伝えると直ぐに部屋から出て行った。見る限りとても忙しそうだ。


「Aちゃん、体調は?」

「もう大丈夫。」

「そう、なら私に付いて来給え。」

「判った。」


***


「漸く来たか…ん?その少女は?」

「ああ国木田くん、彼女も同席させるよ。」

「「はあ?」」

私と国木田さんという男性の声が重なった。


「どういうつもりだ太宰。」

「安心し給え国木田くん、彼女が足手纏いに成る事は無いよ。それは私が保証しよう。」

「太宰さん、其れは私が武装探偵社の仕事に関わるって事?」

「ご名答。まあ君がどうしても嫌と言うならば仕方がないが…君も興味があるんじゃないかい?今の私の仕事に。」

「…判った。良いよ。」

了承すると、国木田さんの眉が上がった。


「おい娘…」

「大丈夫、彼女に関しては全ての責任を私が取ろう。」


もう何を言っても太宰さんに聞かないと分かったのか、国木田さんは諦めた様に溜息を吐いた。

良い川とは→←設定とは



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.1/10 (20 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
27人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:うさぎ子 | 作成日時:2019年2月3日 16時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。