再会とは ページ2
ハッと飛び起きた。
此処は何処かの医務室のようだ。
知らない天井だ…はこのような時に使う言葉だとアノ人が言っていた気がする。
「おや、起きたかい?」
綺麗な女の人が此方を覗き込んできた。
「太宰の奴がずぶ濡れのアンタを連れてきてね、昔の知り合いだと言っていたが…」
「太宰さん…?アノ人が此処にいるんですか?」
「ああ、いるよ。今連れてくるから待ってな。」
本当に太宰さんが居るのだろうか。だとしたら実に四年ぶりの再会か。そんな事を頭の片隅で考え乍ら部屋を見渡した。普通の医務室だと思って居たが、拘束台の様な物が有るのを見ると普通とは言えないだろう。
「目が覚めたかい?」
懐かしみを感じるその声にバッと振り向いた。
「本当に太宰さんだ…」
「四年ぶりだね。元気にしてたかい?」
「うん、元気。太宰さんも元気そうだね。」
「驚いたよ、今日も良い川だと思って入水しようとしたらAちゃんが流れて来るんだもの。」
「…川を見たら昔が懐かしくなってつい。」
「ああ。君は私の入水をよく邪魔してたからね。」
懐かしんでいるかの様な声色だ。
「此処は何処?」
「武装探偵社だよ。とは言っても君のことだ、予想はしてたのだろう?」
「まあ…貴方が行くなら此処かなって考えてはいた。」
そんな話をしていると、扉が勢いよく開いた。
「おい太宰、軍警から依頼が来た。明日から捜索を開始する手続きをしたから直ぐに此方へ来い。」
眼鏡を掛けた男の人は、太宰さんにそう伝えると直ぐに部屋から出て行った。見る限りとても忙しそうだ。
「Aちゃん、体調は?」
「もう大丈夫。」
「そう、なら私に付いて来給え。」
「判った。」
***
「漸く来たか…ん?その少女は?」
「ああ国木田くん、彼女も同席させるよ。」
「「はあ?」」
私と国木田さんという男性の声が重なった。
「どういうつもりだ太宰。」
「安心し給え国木田くん、彼女が足手纏いに成る事は無いよ。それは私が保証しよう。」
「太宰さん、其れは私が武装探偵社の仕事に関わるって事?」
「ご名答。まあ君がどうしても嫌と言うならば仕方がないが…君も興味があるんじゃないかい?今の私の仕事に。」
「…判った。良いよ。」
了承すると、国木田さんの眉が上がった。
「おい娘…」
「大丈夫、彼女に関しては全ての責任を私が取ろう。」
もう何を言っても太宰さんに聞かないと分かったのか、国木田さんは諦めた様に溜息を吐いた。
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作者名:うさぎ子 | 作成日時:2019年2月3日 16時