青い春の夢：02 ページ16
「げ。秒単位かよ。キメェぞお前」
会話から3分と40秒後。カタクリの言葉通り"彼女"はやって来た。
大きな紙袋を両腕でなんとか抱えながら、カタクリに向かって一生懸命にかけてくる。
『カタクリ先輩！』
「落ち着け。慌てると転ぶぞ」
そう言うカタクリの声色は柔らかく、視線は穏やかで。
一方ボニーの顔はますます歪んでいく。
目があった瞬間に笑顔を咲かせた彼女を、カタクリはどこまで予測していたのだろうか。予測の上での反応だとすれば随分と無防備だ。
そうさせた彼女の名はA。テーブルを囲む4人の1学年下の後輩である。
『お待たせしました…って、どうかなさったんですか？』
人混みを縫ってテーブルに辿り着いてみれば、表情のちぐはぐさに首を傾げる。
「おいA、このブアイソ男が嫌になったらすぐ言えよ？」
「いいじゃないか。仲が良いのは良いことだ」
『？？』
首の傾きは大きくなるばかり。
どうやら自分に話が向けられているらしいが、Aには肝心の中身を理解することが出来なかった。
「…コイツらは気にするな。用事は終わったのか？」
『ええ、つい先程。んふふふふ』
「なんだ、嬉しそうだな」
『んふふ、それが…』
言いながらAがカタクリに身体を傾けた、次の瞬間。
「うまそーなニオイ！」
突然、テーブルに突っ伏していた男がガバッと起き上がった。
男の腕はその勢いのまま、Aの抱える紙袋に伸びる。
「ダメですっ！」
制止の声はほぼ同時。
男の動きは本能的な、動物レベルの素早さだったが、Aの強い意志がそれを上回り、紙袋は難を逃れた。
というのは少し、語弊がある。
Aがいかに早く反応しようと、この男─エースの身体能力には敵わない。
それでも紙袋が守られたのは…
「油断も隙もねェ…」
カタクリがしっかりと、紙袋をAごと抱き寄せたからだ。
だが、その行動により問題が新たにひとつ。
死守と共にエースを睨み付けていたAが、しばらくして唐突に固まった。
カタクリの腕が自分の身体に回っていることに気が付いたらしい。沸騰しそうな勢いでみるみる顔が染まっていく。
『あ、あああの、カタクリせんぱ、手が』
「そこの馬鹿が大人しくなったらな」
未だ紙袋に手をかけっぱなしのエースを睨み、カタクリの力が強くなる。弱まったのはAの威勢だけ。
『エースさん！エースさんの分は別にありますから！だから早く起きて下さいっ！でないと死んでしまいます…！』
『私が！！！！』
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露木アマナ(プロフ) - ちょっと色々あって更新できてませんでした；；続きはゆるゆるお待ちいただけると嬉しいです(>_<") (2019年11月26日 13時) (
レス) id: c2b02f4b53 (このIDを非表示/違反報告)
露木アマナ(プロフ) - 紅葉(クレハ)さん» 紅葉(クレハ)さんおいでませカタクリ沼ー！＼(*'▽'*)／ですが泣きもろくですか!?ﾋｴ、嬉しいやら申し訳ないやら…！本編も番外編もこれからは思う存分イチャイチャが書けるので、遅筆ではありますが責任、とらせて頂きますね！o(・ω・´o) (2019年9月22日 9時) (レス) id: be3bf55a7b (このIDを非表示/違反報告)
紅葉(クレハ)(プロフ) - 貴方様のお蔭でカタクリ様の沼に浸かりました…そして更に泣きもろくなりました…どうしてくれるんですか！これはまたアマナさんに夢主とカタクリ様のイチャイチャを書いて責任をとってもらうしか…！！(訳:本編と番外共に滅茶苦茶面白かったです)(長文失礼しました) (2019年9月1日 17時) (レス) id: 966d05a96a (このIDを非表示/違反報告)
露木アマナ(プロフ) - ＊エアメル＊さん» えへへ…タイトルで予想されてるかなとか思ってたのですが驚いてもらえて作者冥利に尽きます(´-｀*)悲しい話にはならないので、青い春の夢を楽しんで頂ければ嬉しいです* (2019年8月17日 0時) (レス) id: be3bf55a7b (このIDを非表示/違反報告)
＊エアメル＊(プロフ) - ま、まさかのそういう...？！凄すぎます...いやもう泣ける...こんな風に上手く青春を、学パロを入れてくるなんて.....(´；ω；｀) (2019年8月16日 18時) (レス) id: 3e0780c09e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：露木アマナ | 作成日時：2018年10月31日 23時
