謎のキャンディ紳士 ページ7
声に振り向くと、そこにはキャンディだらけの男性が立っていた。
キャンディのステッキにキャンディの刺さった帽子、キャンディのボタンのコート。
(なんていうか…すごく、キャンディ！)
もう感想がキャンディしか出てこない。
私がその出で立ちに驚いていると、男性はおもむろに背を曲げて2本のキャンディを男の子に差し出した。
「そらこれをやろう」
「わあ！キャンディだ！」
「1本はその【お友達】に持って行け。お菓子は仲良く食べるんだぜ？なあお嬢さん」
『えっ』
なんで分かったんだろう。男性が男の子にしてくれたことは、まさに私がお菓子の持ち合わせがなくて出来なかったことだ。
『…ええ、その通り！美味しいお菓子はお友達と食べるともっと美味しいの！思わず笑顔になるくらいね！』
そうしたら自然と謝れるかもしれないし、謝れなくても仲直りのきっかけにはなるだろう。
笑顔でそう後押しすると、男の子はキャンディを受け取ってすっくと立ち上がった。
「ちゃんと渡せるかな…」
『うん！だって君には、人より長い腕があるじゃない！』
「…！うん！ありがとう！僕行ってくる！」
そう言って男の子は走って行った。仲直り…出来ると良いな。
「くくくく…お菓子で仲直りとは、随分【ウチの国らしい】じゃねえか？」
残されたのは男性と私の二人だけ。私は立ち上がって男性に深々と頭を下げた。
『ありがとうございました！あの子が笑顔になったのは貴方のお陰です！』
「君がしようとしたことを引き継いだだけだ。まあ私のキャンディを使ったんだ、計画はより確実なものになっただろうがねペロリン♪」
(【ペロリン】？可愛いセリフ、口癖かな？)
『そうですね！とっても美味しそうなキャンディでした…！』
「【美味しそう】じゃなくて、【美味しい】んだよお嬢さん」
『ふふ、失礼致しました。確かに、見ただけでも美味しさが分かるキャンディでした！』
繊細な仕上げが印象深い。恐らく相当な腕の持ち主だ。
『…っと、ごめんなさい！私急いでいて…！本当にありがとうございました！』
カタクリ様との約束を思い出して、私は慌ててその場を後にした。
お礼が出来なかったのは心残りだけど、あれだけの腕ならば名前を知る機会はありそうだ。
もしもまた会えたら、その時にお礼が出来ると良いのだけど…。
(あの女…おれを見てあの反応、この国の人間じゃねえな？…だが考え方は、まったくもって【ウチ】向きだぜペロリン♪)
「…ちょっと甘すぎだけどな」
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露木アマナ(プロフ) - 豆腐さん» 豆腐さんコメントありがとうございます！ﾆﾏﾆﾏして頂けて嬉しいです(*´▽｀*)生きがいだなんて；；私も豆腐さんのコメントで頑張れます！本当にありがとうございます…！ (2019年4月10日 23時) (
レス) id: be3bf55a7b (このIDを非表示/違反報告)
豆腐 - 深夜に申し訳ありません。めちゃくちゃ最高です……ﾆﾏﾆﾏが止まらなくて、この小説を読むことが、私の生きがいになっています！更新頑張ってください！ (2019年4月8日 0時) (レス) id: a9fbc04af8 (このIDを非表示/違反報告)
露木アマナ(プロフ) - とうとうこちらの作品で評価500票を頂きました…！本当に、本当にありがとうございます！！ヽ(；▽；)ノ (2019年3月1日 0時) (レス) id: be3bf55a7b (このIDを非表示/違反報告)
露木アマナ(プロフ) - ティコさん» 今はちょっと更新が出来ていなくて３は不穏な空気が流れておりますが、またティコさんが悶えるような展開になるように頑張りますね！ありがとうございます！ (2019年3月1日 0時) (レス) id: be3bf55a7b (このIDを非表示/違反報告)
露木アマナ(プロフ) - ティコさん» そ、そんな嬉しいお言葉を頂いていいのでしょうか…!?推しではないのに読んで下さったことも、それで悶えて下さったことも嬉しくて嬉しくて私が召されそうです…！｡・ﾟ・(ﾉ▽`)・ﾟ・｡ おかしいなんてとんでもない！こんなに沢山お言葉を伝えて下さって感激です…！ (2019年3月1日 0時) (レス) id: be3bf55a7b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：露木アマナ | 作成日時：2018年6月30日 8時
