問題の元凶 ページ45
『カタクリ様を苦しめているものは、一体何なのですか？それを取り除く為に私がお力になれることは…何も、ないのでしょうか』
そこが痛むのだというように、自身の服の胸元をきつく掴みながらAが問いかける。
その様子から本当に心底自分を想って言っていることが伝わっても、いやむしろそれがわかるからこそ、【まさにお前が原因だ】などとはカタクリには言えるはずもなく。
『ここ数日、なんだかずっとご様子が変です。最初は気のせいじゃないかとか、私が全然知らない世界のことや、お一人で解決なさりたいことかもしれないと思っていましたが…』
一瞬目を伏せて、それからきっと眉を上げて。
『昨日、確信しました。メリエンダに何か問題があるのですよね？』
「何故そう思う」
『心当たりがないというのならそれこそ重症です。明らかに社に入られる前後で空気が違いましたもの』
「…よく見ているものだ」
困る。
『カタクリ様がすぐ隠そうとなさるからです。そうでなくても目は離しませんけれど。勿体ないですからね』
叱るような声から一転、困ったように笑う顔に、困るのはこちらの方だ。
困る。本当に。
『私もプロですから、ドーナツの質は問題がないと考えています。だからずっとわからなかったのですけれど、先程のご様子を見て思ったんです。…カタクリ様。何を我慢なさっているのですか？』
「…っ！」
我慢。そうだ我慢だ。だがおれは我慢しなければいけない。耐えなければいけない。隠さなければいけない。
それなのに、お前が…。
「お前には関係ない」
『何を仰っているのですか。メリエンダに問題があるならパティシエである私に関係がないわけがないでしょう？』
関係ないどころか、元凶そのものだ。
『前にも言いましたよね。私はカタクリ様に、もっとご自分を甘やかして欲しいんです。我儘になって欲しいんです。メリエンダも、今だって、いいえ、いつでも。
私は貴方に新しい人生を貰いました。貴方を幸せにする為の、貴方の為に生きる人生を』
「グ…ッ」
眩しい。チカチカする。
なんて目でなんてことを言うんだこの女は。
『私を使って下さい。カタクリ様のお力になれることなら私、なんだって…！』
「〜！そこまで言うなら言ってやるがな！」
―ぷつん。
「お前の膝じゃねェと満足出来なくなっちまった！いくらドーナツが美味くても！お前の膝で、お前に食わせて、貰わねェと…」
羞恥と情けなさでもう限界だ。
ああ本当に、手に負えない。
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露木アマナ(プロフ) - 豆腐さん» 豆腐さんコメントありがとうございます！ﾆﾏﾆﾏして頂けて嬉しいです(*´▽｀*)生きがいだなんて；；私も豆腐さんのコメントで頑張れます！本当にありがとうございます…！ (2019年4月10日 23時) (
レス) id: be3bf55a7b (このIDを非表示/違反報告)
豆腐 - 深夜に申し訳ありません。めちゃくちゃ最高です……ﾆﾏﾆﾏが止まらなくて、この小説を読むことが、私の生きがいになっています！更新頑張ってください！ (2019年4月8日 0時) (レス) id: a9fbc04af8 (このIDを非表示/違反報告)
露木アマナ(プロフ) - とうとうこちらの作品で評価500票を頂きました…！本当に、本当にありがとうございます！！ヽ(；▽；)ノ (2019年3月1日 0時) (レス) id: be3bf55a7b (このIDを非表示/違反報告)
露木アマナ(プロフ) - ティコさん» 今はちょっと更新が出来ていなくて３は不穏な空気が流れておりますが、またティコさんが悶えるような展開になるように頑張りますね！ありがとうございます！ (2019年3月1日 0時) (レス) id: be3bf55a7b (このIDを非表示/違反報告)
露木アマナ(プロフ) - ティコさん» そ、そんな嬉しいお言葉を頂いていいのでしょうか…!?推しではないのに読んで下さったことも、それで悶えて下さったことも嬉しくて嬉しくて私が召されそうです…！｡・ﾟ・(ﾉ▽`)・ﾟ・｡ おかしいなんてとんでもない！こんなに沢山お言葉を伝えて下さって感激です…！ (2019年3月1日 0時) (レス) id: be3bf55a7b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：露木アマナ | 作成日時：2018年6月30日 8時
