無知を埋める方法 ページ41
『どこもお怪我がなくて。その上ちゃんと休んで頂けていて。安心しました』
どうやら怪我をしている様子はない。十分とはいえないし眠った場所にも問題はあるけれど、睡眠も5時間とれば問題という程でもないだろう。
「【良かった】っていうのは、おれの無事のことか…」
『はい。本当にご無事で良かったです！カタクリ様に何かあったらと、ずっと気が気じゃなくって』
こんなことを言うと怒られるだろうかと眉を下げながら笑う私に、やはりカタクリ様は少しだけ不快さを露わにする。
「おれが負けるはずがない」
『無敗なんですよね。それもこの間ファンクラブの会報で初めて知りました。だから…』
「待て。今、何で知ったと言った？」
【聞いただけの情報じゃ安心なんて出来ません】と続けようとしたけれど、カタクリ様の言葉で遮られてしまった。
不思議に思いつつ、素直に質問に答える。
『ファンクラブの会報です』
「何故お前がそんなものを…」
『会員の兵士さんにお借りしました！』
笑顔の私とは対照的に、眉間を指で押さえながら、深く溜息を吐くカタクリ様。
「まさかとは思うが、それに入る気じゃないだろうな」
何を言っているのだろうかカタクリ様は。そんなものは当然。
『入るに決まっているじゃないですか！』
「……」
呆れた視線と目が合って、私は思わず笑ってしまう。
『ふふ。なんとなく予想はしてましたけど、カタクリ様の公認というわけではないんですね』
「…当たり前だろう。あれはフランペの遊びのひとつだ、お前は気にするな」
『え、嫌です』
「何？」
『だって、カタクリ様を好きな方が作ったカタクリ様のことが書かれた情報誌が読めるんですよ!?増刊号では他の御兄弟のことまで！カタクリ様への尊敬を共有出来るというのも最高です！…それに』
私にとってこれは、趣味と実用を兼ねたとても大事なこと。
『私、まだまだカタクリ様のことは知らないことばかりなんです。昨日のことだって、ファンクラブの情報がなければもっと慌てふためいたと思いますし…。私の為に貴方のことを知りたくて、美味しいドーナツを作る為に貴方を知らなくてはいけないんです』
「…」
『おかしいですか？』
「…ああ、おかしいな」
『えっ』
意外な返答に思わず声をあげてしまう。理屈としては間違っていないと思っていたのだけど。
「そんなものがなくても、目の前に本人がいるだろう」
意外だ。本当に。意外過ぎて、何かを期待してしまいそうな程。
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露木アマナ(プロフ) - 豆腐さん» 豆腐さんコメントありがとうございます！ﾆﾏﾆﾏして頂けて嬉しいです(*´▽｀*)生きがいだなんて；；私も豆腐さんのコメントで頑張れます！本当にありがとうございます…！ (2019年4月10日 23時) (
レス) id: be3bf55a7b (このIDを非表示/違反報告)
豆腐 - 深夜に申し訳ありません。めちゃくちゃ最高です……ﾆﾏﾆﾏが止まらなくて、この小説を読むことが、私の生きがいになっています！更新頑張ってください！ (2019年4月8日 0時) (レス) id: a9fbc04af8 (このIDを非表示/違反報告)
露木アマナ(プロフ) - とうとうこちらの作品で評価500票を頂きました…！本当に、本当にありがとうございます！！ヽ(；▽；)ノ (2019年3月1日 0時) (レス) id: be3bf55a7b (このIDを非表示/違反報告)
露木アマナ(プロフ) - ティコさん» 今はちょっと更新が出来ていなくて３は不穏な空気が流れておりますが、またティコさんが悶えるような展開になるように頑張りますね！ありがとうございます！ (2019年3月1日 0時) (レス) id: be3bf55a7b (このIDを非表示/違反報告)
露木アマナ(プロフ) - ティコさん» そ、そんな嬉しいお言葉を頂いていいのでしょうか…!?推しではないのに読んで下さったことも、それで悶えて下さったことも嬉しくて嬉しくて私が召されそうです…！｡・ﾟ・(ﾉ▽`)・ﾟ・｡ おかしいなんてとんでもない！こんなに沢山お言葉を伝えて下さって感激です…！ (2019年3月1日 0時) (レス) id: be3bf55a7b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：露木アマナ | 作成日時：2018年6月30日 8時
