ままならない ページ39
―と、思うから。だから…
(ちょっと静かにしてくれないかな私の心臓…！)
ひとまずの謎は解決したのだけど、落ち着いたらそれだけ、クリアになった感覚で状況を受け止めなければならない。
何故か私の身体に頭を預けてカタクリ様が眠っている。それは良い。体勢はすごいことになっていそうだけど、重要なのは【カタクリ様が休んでいる】ということだ。
問題なのは、とても密着しているということ。カタクリ様をとても近くで感じてしまっているということ。
私の心臓が、それに耐えられるはずもなく。
腕を動かすより先に、私の心臓の音で起こしてしまうかもしれない。それが恐ろしい。
(いっそこのまま止まって…)
言うことをきかない自分の身体に呆れてしまうけれど。
「…」
(…案外、起きないものね)
少しだけほっとした。それにあわせて心臓も少しだけ落ち着いた…気がする。
―それにしても。
(相当お疲れだったのね…無理をなさっていないと良いのだけど)
こんなに無防備なカタクリ様の姿は初めて見る。
お顔が見えないのは残念だけど、こうして頭を抱いていると微笑ましいというかなんというか。
大切で、尊くて、そんな気持ちが溢れてくる。
『カタクリ様は本当に、頑張り屋さんなんだから…』
…魔が差した。
思わず言葉が口をついて出て、思わず手が動いてしまった。つまり、そう、頭を…撫でてしまった。
やってしまった瞬間、はっと我に返る私。さあっと急速に血の気が引いていく。
(私の馬鹿！大馬鹿！なんでこう、私の身体は脳を通さずに動いちゃうかなあ!?)
起こさないように気を付けていたはずなのに。やっと心臓も落ち着いたのに。
カタクリ様も心臓に悪いけど、私の行動も大概私の心臓に悪い。
(ああでも、あれだけ心臓の音がうるさくても起きられなかったわけだし、きっと大丈夫…)
だったら、良かったのだけど。
「っ！」
大丈夫なわけがなかった。
弾かれたように身体を起こしたその人の顔を、初めて見る。
わかっていたけどカタクリ様だ。間違いない。見開かれた瞳が真ん丸で、戸惑いがありありと見てとれる。
でもお顔を見て、カタクリ様だということが事実となると、私にも戸惑いは起こる。
謝らないと。いやでもそもそも何故ここにいたのか。いつからいたのか。怪我はなかったか。
ぐるぐると色んなものが脳内を駆け巡って、ようやく口にできたのは。
『…お、おはようございます。カタクリ様』
そんな、間の抜けた言葉だけだった。
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露木アマナ(プロフ) - 豆腐さん» 豆腐さんコメントありがとうございます！ﾆﾏﾆﾏして頂けて嬉しいです(*´▽｀*)生きがいだなんて；；私も豆腐さんのコメントで頑張れます！本当にありがとうございます…！ (2019年4月10日 23時) (
レス) id: be3bf55a7b (このIDを非表示/違反報告)
豆腐 - 深夜に申し訳ありません。めちゃくちゃ最高です……ﾆﾏﾆﾏが止まらなくて、この小説を読むことが、私の生きがいになっています！更新頑張ってください！ (2019年4月8日 0時) (レス) id: a9fbc04af8 (このIDを非表示/違反報告)
露木アマナ(プロフ) - とうとうこちらの作品で評価500票を頂きました…！本当に、本当にありがとうございます！！ヽ(；▽；)ノ (2019年3月1日 0時) (レス) id: be3bf55a7b (このIDを非表示/違反報告)
露木アマナ(プロフ) - ティコさん» 今はちょっと更新が出来ていなくて３は不穏な空気が流れておりますが、またティコさんが悶えるような展開になるように頑張りますね！ありがとうございます！ (2019年3月1日 0時) (レス) id: be3bf55a7b (このIDを非表示/違反報告)
露木アマナ(プロフ) - ティコさん» そ、そんな嬉しいお言葉を頂いていいのでしょうか…!?推しではないのに読んで下さったことも、それで悶えて下さったことも嬉しくて嬉しくて私が召されそうです…！｡・ﾟ・(ﾉ▽`)・ﾟ・｡ おかしいなんてとんでもない！こんなに沢山お言葉を伝えて下さって感激です…！ (2019年3月1日 0時) (レス) id: be3bf55a7b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：露木アマナ | 作成日時：2018年6月30日 8時
