月明かりの下 ページ31
「警戒心を持てと言ったはずだ。こんな時間に女一人で歩く馬鹿がどこにいる」
それからちらりと私を見て。
「…ここにいたようだがな。そんな調子でよく殺されずに来れたものだ」
もう一度溜息。呆れられている感覚に、私は思わず身を縮こませた。
『外では気を付けていましたけど…ハクリキタウンは大丈夫かと…』
「話にならないな。そういう油断が危険だといい加減学習しろ」
『も、申し訳ありません…。でもやっぱり送って頂くなんて大丈夫ですから！カタクリ様は早くお休みに…』
「お前を送り届けたらそうする。お前の望み通り休んでやるんだ、喜べ」
『う、嬉しいような嬉しくないような…！』
「いい加減諦めろ。それとも抱えて連れ帰って欲しいか？」
かかえ、て。カタクリ様に。
『ままままさか！そんなの私の心臓が持ちません！殺す気ですか!?』
「やめて欲しいならさっさと帰るぞ」
『うう、わかりました。よろしくお願いします…』
「フッ、お前の弱点だな。物分りが良くて何よりだ」
少しだけ機嫌良さそうに笑って下さったのは嬉しいけど、理由が理由だけに喜べないですカタクリ様…！
『そういえば、カタクリ様はどうして執務室に？』
「仕事以外に何がある」
『それはそうですけど、カタクリ様は雑務の処理も早いではないですか。仕事が残っていたとは思えません』
「……ある連中の資料を確認していた。失敗の許されない案件が控えているからな。念には念をというやつだ」
『成程…』
(本当に完璧主義というか、真面目というか…)
『私達はきっと、カタクリ様のそういうところに守られているのですね…』
だから、守られている側の私には、【そこまでしなくても】なんて軽々しく言えない。
でも守っているのがカタクリ様なら。カタクリ様が最強の男だというのなら。
―カタクリ様は、一体何が守るのだろう。
『今夜は本当にすみませんでした。それから、ありがとうございます』
深々と頭を下げる。思わぬ事態だったけれど、とても楽しくて幸せな時間だった。
わざわざ送って下さったカタクリ様に失礼だから、とても口には出来ないけれど。
『でも、お戻りになったら本当に休んで下さいね』
「お前はいつもそれだな。……ちゃんと休むから安心しろ」
『…信じますからね？おやすみなさい、カタクリ様。お気をつけて』
「気を付ける？おれがか」
『勿論、カタクリ様もですよ？―だって』
【人のことはいえない】でしょう？
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露木アマナ(プロフ) - 豆腐さん» 豆腐さんコメントありがとうございます！ﾆﾏﾆﾏして頂けて嬉しいです(*´▽｀*)生きがいだなんて；；私も豆腐さんのコメントで頑張れます！本当にありがとうございます…！ (2019年4月10日 23時) (
レス) id: be3bf55a7b (このIDを非表示/違反報告)
豆腐 - 深夜に申し訳ありません。めちゃくちゃ最高です……ﾆﾏﾆﾏが止まらなくて、この小説を読むことが、私の生きがいになっています！更新頑張ってください！ (2019年4月8日 0時) (レス) id: a9fbc04af8 (このIDを非表示/違反報告)
露木アマナ(プロフ) - とうとうこちらの作品で評価500票を頂きました…！本当に、本当にありがとうございます！！ヽ(；▽；)ノ (2019年3月1日 0時) (レス) id: be3bf55a7b (このIDを非表示/違反報告)
露木アマナ(プロフ) - ティコさん» 今はちょっと更新が出来ていなくて３は不穏な空気が流れておりますが、またティコさんが悶えるような展開になるように頑張りますね！ありがとうございます！ (2019年3月1日 0時) (レス) id: be3bf55a7b (このIDを非表示/違反報告)
露木アマナ(プロフ) - ティコさん» そ、そんな嬉しいお言葉を頂いていいのでしょうか…!?推しではないのに読んで下さったことも、それで悶えて下さったことも嬉しくて嬉しくて私が召されそうです…！｡・ﾟ・(ﾉ▽`)・ﾟ・｡ おかしいなんてとんでもない！こんなに沢山お言葉を伝えて下さって感激です…！ (2019年3月1日 0時) (レス) id: be3bf55a7b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：露木アマナ | 作成日時：2018年6月30日 8時
