監視と見守り ページ27
「太陽？太陽だなんて言うのは初めて聞いたよ。クールでストイックなお兄ちゃんには似合わないたとえだね」
『的確なたとえだと思ったのですけど…まだまだ勉強不足かもしれませんね』
ブリュレ様と私とでは、知っている時間が違う。それによって見え方が変わるのも当然だ。
そもそも、一言でカタクリ様を表現しようというのが難しい。私の想いすら、一言では表せないというのに。
『恋を語ることは出来ませんけれど、ひとつだけ断言させて頂くなら』
ブリュレ様が心配されているものは何だろう。でも少なくとも。
『私は決して、カタクリ様を不幸には致しません。絶対に』
「何言ってるんだい！小娘一人に不幸にされる程、お兄ちゃんはヤワじゃないよ！」
『そうですとも。恋だってそう。私がカタクリ様にその、恋をしていたとしても、カタクリ様にその気がなければどうなるものでもないんです』
ただ、どんな出来事、どんな言葉が幸せを与え、奪うのかはその人にしか分からないけれど。
私の幸せも不幸せも、私以外の人に理解してもらうのが難しいように。
「…気に入らないけど、仕方ないわ。恋じゃないなら今日のところは帰ってあげるよ」
言いながら、鏡の中へと戻っていくブリュレ様。
「でもね、覚えておきな。アタシはいつでも鏡の中からアンタを見てるよ。お兄ちゃんに何かしようものなら、たちまちアンタの顔を傷だらけにしてやるから！ウィーウィッウィ!!」
ブリュレ様が消え、来た時と同じように波打った鏡が元の固さを取り戻す。
『ええ。よろしくお願い致します。私がカタクリ様に害あるものになってしまったらその時は』
どうか私を殺して欲しい。そうでないと、きっと私は私を許せない。
『…それにしても』
ブリュレ様がいつも見ていたものは、きっと私ではなくて―…
『本当に仲が良い御兄妹。もっとお話し出来たら良かったけど、嫌われたかな…失礼なことは言ってないはず―あ』
(失礼なことは言ってないけど失礼な態度はとった…！)
バスンッと会報で自分の頭を叩く。雑誌とはいえ、シャーロット家をまとめた一冊。辞書並の厚さのそれはなかなか痛かった。
「…」
そんなAの姿を覗きながら、ブリュレはそっと自分の傷をなぞる。
『カタクリ様を不幸には致しません』
生意気な真っ直ぐな瞳。あの瞳が気に入らない。
(カタクリお兄ちゃんは、いつだって完璧でいなくちゃいけないのに)
何かを暴きそうなあの瞳が恐ろしく気に入らない。
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露木アマナ(プロフ) - 豆腐さん» 豆腐さんコメントありがとうございます！ﾆﾏﾆﾏして頂けて嬉しいです(*´▽｀*)生きがいだなんて；；私も豆腐さんのコメントで頑張れます！本当にありがとうございます…！ (2019年4月10日 23時) (
レス) id: be3bf55a7b (このIDを非表示/違反報告)
豆腐 - 深夜に申し訳ありません。めちゃくちゃ最高です……ﾆﾏﾆﾏが止まらなくて、この小説を読むことが、私の生きがいになっています！更新頑張ってください！ (2019年4月8日 0時) (レス) id: a9fbc04af8 (このIDを非表示/違反報告)
露木アマナ(プロフ) - とうとうこちらの作品で評価500票を頂きました…！本当に、本当にありがとうございます！！ヽ(；▽；)ノ (2019年3月1日 0時) (レス) id: be3bf55a7b (このIDを非表示/違反報告)
露木アマナ(プロフ) - ティコさん» 今はちょっと更新が出来ていなくて３は不穏な空気が流れておりますが、またティコさんが悶えるような展開になるように頑張りますね！ありがとうございます！ (2019年3月1日 0時) (レス) id: be3bf55a7b (このIDを非表示/違反報告)
露木アマナ(プロフ) - ティコさん» そ、そんな嬉しいお言葉を頂いていいのでしょうか…!?推しではないのに読んで下さったことも、それで悶えて下さったことも嬉しくて嬉しくて私が召されそうです…！｡・ﾟ・(ﾉ▽`)・ﾟ・｡ おかしいなんてとんでもない！こんなに沢山お言葉を伝えて下さって感激です…！ (2019年3月1日 0時) (レス) id: be3bf55a7b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：露木アマナ | 作成日時：2018年6月30日 8時
