ファンクラブ ページ21
コムギ島に移り住んで数日。私はカタクリ様という存在に、もう何度目になるかわからない感動と驚きの息を漏らした。
これはとても凄いことなのだけど…なんと私はコムギ島に来てから、一度として不快な目に遭っていない。
私はカタクリ様の為にドーナツを作れればそれだけで幸せだし、カタクリ様の為に生きると誓った時点で生きているだけでも幸せみたいなところはあるのだけど、それはそれとして、お傍に置かせて貰うことに対する代償にはそれなりの覚悟をしていた。
暴言・暴力・理不尽。つまるところの、やっかみや虐め。それに近いもの。そういうものに対する覚悟を。
突然無名のパティシエがやってきて、誰よりも尊敬する人にお菓子を作るという名誉ある仕事を任される。
それは尊敬が強ければ強い程、仕事に対する誇りがあればある程、きっと気分の良いことではなくて、敵意を向けられてもおかしくないことだと思っていた。
(…実際、そういう人は今まで沢山いた)
けれど、ハクリキタウンの人々は敵意を向けるどころか親切にしてくれて。
どんな仕打ちを受けてもこの奇跡を誰にも譲るつもりはない、だなんて息巻いていたので拍子抜けだ。
ただ、親切だからといって別に私自身が誰しもに歓迎されているというわけでもない。親切の理由を聞けば、皆が口を揃えてこう言う。
【カタクリ様が決めたことに間違いはない】。
多少の不満を持っていても、カタクリ様への尊敬がそれを上回っていると、つまりそういうことだ。
理解は出来る。けれど、現実として受け止めるにはあまりに凄すぎる。そうさせているカタクリ様も。
『まるでカタクリ様のファンクラブに入った気分…』
私がカタクリ様のファン…。
(―うん、その通りかな！)
親切にしてくれるからというのを抜きにしても、職場の人達とはすぐに仲良くなった。それは間違いなく【同じものを好き】だからというのが大きいと思う。
皆当たり前にそうしているけれど、それは私が生きていること以上に奇跡的なことだというのを、外から来た私は知っている。
憎しみや恐怖じゃなくて、愛や尊敬でひとつになれるなんて。
(本当に、ずっと夢を見ているみたい)
この幸せに、私は何をすれば報いることが出来るだろう。
『住民になったら私もファンクラブ入ろう…』
―そう。カタクリ様のファンクラブは実際に存在する。
そして！実は今日同僚がそのファンクラブの会報を持ってきてくれる！
『ふふ、楽しみだなあ！』
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露木アマナ(プロフ) - 豆腐さん» 豆腐さんコメントありがとうございます！ﾆﾏﾆﾏして頂けて嬉しいです(*´▽｀*)生きがいだなんて；；私も豆腐さんのコメントで頑張れます！本当にありがとうございます…！ (2019年4月10日 23時) (
レス) id: be3bf55a7b (このIDを非表示/違反報告)
豆腐 - 深夜に申し訳ありません。めちゃくちゃ最高です……ﾆﾏﾆﾏが止まらなくて、この小説を読むことが、私の生きがいになっています！更新頑張ってください！ (2019年4月8日 0時) (レス) id: a9fbc04af8 (このIDを非表示/違反報告)
露木アマナ(プロフ) - とうとうこちらの作品で評価500票を頂きました…！本当に、本当にありがとうございます！！ヽ(；▽；)ノ (2019年3月1日 0時) (レス) id: be3bf55a7b (このIDを非表示/違反報告)
露木アマナ(プロフ) - ティコさん» 今はちょっと更新が出来ていなくて３は不穏な空気が流れておりますが、またティコさんが悶えるような展開になるように頑張りますね！ありがとうございます！ (2019年3月1日 0時) (レス) id: be3bf55a7b (このIDを非表示/違反報告)
露木アマナ(プロフ) - ティコさん» そ、そんな嬉しいお言葉を頂いていいのでしょうか…!?推しではないのに読んで下さったことも、それで悶えて下さったことも嬉しくて嬉しくて私が召されそうです…！｡・ﾟ・(ﾉ▽`)・ﾟ・｡ おかしいなんてとんでもない！こんなに沢山お言葉を伝えて下さって感激です…！ (2019年3月1日 0時) (レス) id: be3bf55a7b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：露木アマナ | 作成日時：2018年6月30日 8時
