死ぬかと思った ページ16
「馬鹿なことを言ってる暇があるなら反省しろ」
『すみません…助けて頂いた身で何を言ってるんだろうと私も思います』
あはは、と自分自身への呆れと共に笑ってしまう。
(でも、カタクリ様って上はジャケットだけだから肌に直だったんだもの…)
いつも救われてるなとか、やっぱり格好良いとか優しいとか、色々思うところはあったけれど、そもそも男性と密着するなんて経験のないことを、カタクリ様相手になんて私には刺激が強すぎる。
(いや、私じゃなくてもトットランドの人で耐えられる人なんているのかな…)
本当に、助けてもらって考えることではないのだけど。
せめてちゃんとお礼を、と立ち上がろうとするけれど。
『重ね重ねすみませんカタクリ様』
「とにかくお前は船内に…今度は何だ」
『こ、腰が抜けてしまったみたいで…すぐに戻りますので、カタクリ様は先にお戻り下さい』
今度は恥ずかしさで死にそうだ。
カタクリ様が魅力的な方なのは素晴らしいことだけど、今後お仕えしていくなら早めに耐性をつけないと命がいくつあっても足りそうにない。
『本当にありがとうございました。今後は気を付けますので…カタクリ様？』
これ以上情けないところをお見せするのも申し訳ないし、早くお戻り頂きたいのにカタクリ様は動く様子がない。
「立てるまで待つ。いつ波に襲われるかわからん。…いや、もう運ぶか。部屋はどこだ」
言いながら、能力で私を掴まえようとするカタクリ様。
『おっ、お待ち下さいカタクリ様！これ以上は申し訳なさすぎますし、それに…！』
それに、今また近付くなんて。
『今度こそ死んでしまいます！』
(【ドキドキし過ぎて死ぬ】だと？馬鹿なやつだ。本当に)
あの時おれは見聞色の覇気を使っていた。
(ーおれは本当に、お前が死ぬかと思った)
揺れる船体。頭を強打するA。事はそれだけでは終わらない。
もう一度襲う揺れに、意識を失ったAは抵抗する術を持たずに海に投げ出されるはずだったのだ。
海に落ちてしまえばそこから先におれの手は届かない。
(お前は死なないと思っていた)
あの死を予定していた3日間ですら、あまりに死の印象からかけ離れていて。
きっと殆ど希望的観測に近かったのだと、今こうして死の可能性に触れて気付かされる。
(死ぬんだな。簡単に、呆気なく)
そしてもうひとつ気付く。いや、気付いてはいた。それが確信に変わった。
おれは許せない。
A。お前が死ぬことを許せない。
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露木アマナ(プロフ) - 豆腐さん» 豆腐さんコメントありがとうございます！ﾆﾏﾆﾏして頂けて嬉しいです(*´▽｀*)生きがいだなんて；；私も豆腐さんのコメントで頑張れます！本当にありがとうございます…！ (2019年4月10日 23時) (
レス) id: be3bf55a7b (このIDを非表示/違反報告)
豆腐 - 深夜に申し訳ありません。めちゃくちゃ最高です……ﾆﾏﾆﾏが止まらなくて、この小説を読むことが、私の生きがいになっています！更新頑張ってください！ (2019年4月8日 0時) (レス) id: a9fbc04af8 (このIDを非表示/違反報告)
露木アマナ(プロフ) - とうとうこちらの作品で評価500票を頂きました…！本当に、本当にありがとうございます！！ヽ(；▽；)ノ (2019年3月1日 0時) (レス) id: be3bf55a7b (このIDを非表示/違反報告)
露木アマナ(プロフ) - ティコさん» 今はちょっと更新が出来ていなくて３は不穏な空気が流れておりますが、またティコさんが悶えるような展開になるように頑張りますね！ありがとうございます！ (2019年3月1日 0時) (レス) id: be3bf55a7b (このIDを非表示/違反報告)
露木アマナ(プロフ) - ティコさん» そ、そんな嬉しいお言葉を頂いていいのでしょうか…!?推しではないのに読んで下さったことも、それで悶えて下さったことも嬉しくて嬉しくて私が召されそうです…！｡・ﾟ・(ﾉ▽`)・ﾟ・｡ おかしいなんてとんでもない！こんなに沢山お言葉を伝えて下さって感激です…！ (2019年3月1日 0時) (レス) id: be3bf55a7b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：露木アマナ | 作成日時：2018年6月30日 8時
