誰の為？ ページ12
「昼食ですが、兵士用にサンドイッチが配られますので食堂まで受け取りに来て下さい」
『ありがとうございます。そうだ、気になっていたんですけれど、本日のメリエンダはどうされる予定ですか？』
半日以上の航海ということはメリエンダの時間は海の上。確かこの船には数人の兵士が乗っているだけで、パティシエはいないと聞いていたけれど…。
「朝ホールケーキ城のパティシエ達が作ったドーナツと、アイスティーを準備しています」
『朝!?…それってどこに保管されているか伺っても？』
「ええ。どうぞこちらに」
そう言って兵士に案内された食糧庫にあったのは…。
(さすがホールケーキ城つきのパティシエ。素晴らしい出来だし、チョイスも悪くない。悪くない、んだけど…)
揚げたての絶品具合には及ばない。しかも3時となると調理からかなりの時間が経過することになる。
(きっとカタクリ様はそれで良いと仰ったんだろうし、パティシエ達はカタクリ様に召し上がって頂きたくて腕を振るったはず。でも、本当にカタクリ様の為を思うなら…)
本当に、カタクリ様に喜んで頂きたいと願うなら。
『兵士さん！』
「は、はい！」
『電伝虫はありますか!?』
「何を突然…」
『…パティシエが乗っているのに出来立てをお出ししないなんて、そんなの最善とはいえないでしょう？』
ごめんなさい、ホールケーキ城のパティシエの皆さん。
それでも私は、その時作れる一番のドーナツをカタクリ様に召し上がって頂きたいのです。
(だってメリエンダはカタクリ様にとって幸せの時間。幸せに妥協はいらない)
兵士に電伝虫を借りてホールケーキ城のパティシエに連絡をとると、応じたのは仲の良いあのパティシエだった。
「そういうことなら是非頼むよ！私達のドーナツは兵士の人達とでも食べてくれ」
『ごめんなさい、生意気言って…』
「いやいや気にするな！カタクリ様に良い物を召し上がって頂きたいと思うその気持ちはよ〜くわかる！」
『ありがとうございます…！』
「Aさん！食材ならば、備蓄用のものをお使い下さい！」
『兵士さん！え、良いんですか？』
「お仕えしたばかりだというのにその忠誠心とパティシエとしての意識の高さ！自分は感動しました！カタクリ様の為とあれば、誰も文句は言いますまい！」
(本当に、愛されてるんだなあ…！)
多くの賞賛と喝采なら知っていた。
けれど人柄を知って改めて実感するそれは、こちらが幸せを感じる程に嬉しい。
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露木アマナ(プロフ) - 豆腐さん» 豆腐さんコメントありがとうございます！ﾆﾏﾆﾏして頂けて嬉しいです(*´▽｀*)生きがいだなんて；；私も豆腐さんのコメントで頑張れます！本当にありがとうございます…！ (2019年4月10日 23時) (
レス) id: be3bf55a7b (このIDを非表示/違反報告)
豆腐 - 深夜に申し訳ありません。めちゃくちゃ最高です……ﾆﾏﾆﾏが止まらなくて、この小説を読むことが、私の生きがいになっています！更新頑張ってください！ (2019年4月8日 0時) (レス) id: a9fbc04af8 (このIDを非表示/違反報告)
露木アマナ(プロフ) - とうとうこちらの作品で評価500票を頂きました…！本当に、本当にありがとうございます！！ヽ(；▽；)ノ (2019年3月1日 0時) (レス) id: be3bf55a7b (このIDを非表示/違反報告)
露木アマナ(プロフ) - ティコさん» 今はちょっと更新が出来ていなくて３は不穏な空気が流れておりますが、またティコさんが悶えるような展開になるように頑張りますね！ありがとうございます！ (2019年3月1日 0時) (レス) id: be3bf55a7b (このIDを非表示/違反報告)
露木アマナ(プロフ) - ティコさん» そ、そんな嬉しいお言葉を頂いていいのでしょうか…!?推しではないのに読んで下さったことも、それで悶えて下さったことも嬉しくて嬉しくて私が召されそうです…！｡・ﾟ・(ﾉ▽`)・ﾟ・｡ おかしいなんてとんでもない！こんなに沢山お言葉を伝えて下さって感激です…！ (2019年3月1日 0時) (レス) id: be3bf55a7b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：露木アマナ | 作成日時：2018年6月30日 8時
