同居。‐KENTO‐ 2 (ページ12)

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new year ページ12

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時計を見ると、待ち合わせまであと五分。

白い息を吐きながら、私は神社から少し離れた木の下で健人を待つ。

周りがにぎわい始めた頃

「お待たせ、A!!」

後ろから声がして振り返ったら大きく手を振る健人

「遅いよー、健人」

「ごめん、ごめん」

お互い実家に帰っていたから、会うのが久しぶり

1月1日

新年早々大好きな人と初詣に行けるなんて幸せだな

「人いっぱいだねー」

「はぐれんなよ」

「健人こそ」

迷子にならないようにって手を繋いできた健人

「お腹空いたー」

「お前、夕飯食わなかったの？」

「食ったけど、誘惑が…」

神社の本殿に行くまでにはぜんざいやらなんやらでいいにおいがする

「もうちょっとの我慢」

健人はそう言って私の手を引き進めた

本殿は行列で

お詣りするまで少し時間がかかった

そして、ついにきた私たちの番

手を合わせて私は心の中で願い事を唱えた

安全祈願

健康でいられますように

ちょっと年寄りっぽい？

あとは

美容師としてもっと成長できますように…

あとは…

一通り願い事が終わって、目を開けると

「わっ!!」

驚きの声が出る私。

健人が顔を近づけてじーっと私を見ていた

「100円で願い事しすぎでしょ(笑)」

ふっと微笑んで私から離れた健人

また手を繋いで本殿をあとにした

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「健人は何お願いしたの？」

帰り道で買ったぜんざいを神社より少し離れたところで食べながら、私はそう聞いた

「俺？１年間無事に過ごせますように、大学卒業できますように…」

「うんうん」

「あと一つは…」

そこまで言うと、健人の顔が近付いてきて

ちゅ…

健人の唇が私の唇と重なった

「Aとずっと一緒にいれますように…だよ？」

そう言ってニコッと笑う健人

「な、なにそれ…」

「Aはー？」

「い、言わないっ！」

「何だよ、けち」

「けちでいいもん」

頑張ってにやける顔をこらえる私

だって

嬉しいんだもん

“健人とこれからもずっと一緒にいたいです”

私の願い事と同じなんだから

今年最初の初キスは

私たちのこれからを映し出すような

甘いあんこの味でした