気遣い0？100？ ページ16
横山side。
.
A「ごちそうさまでしたー」
パチンと手を合わせて言うたAは満足気。
きちんと挨拶をする丁寧なとこは
コイツのええとこやと思う。
Aは人の懐に入んのが上手い。
ニノみたいな感じ。
敬語は案外簡単に抜ける。
やけど年上やったり先輩には
それ相応の呼び方で接する。
そこはAなりに譲られへんとこみたいで
俺のことも4年前からずっと変わらず
"横山さん"。
A「じゃあ、そろそろ戻るね？
自分の部屋」
自分の使ったコップやらスプーンを洗い終えたAは
携帯から充電器を抜いて
鞄の中身を確認して
帰る準備万端。
A「服は洗濯して返しますので着て帰らせて頂きます」
ビシッと敬礼のポーズ。
「ああ、おん
じゃあAの服もまた今度でええ？」
A「うん！
その時にお礼するね」
「そんなんええけどな」
A「だめだめ
お世話になったんだもん」
「ほんまにええで？
気ぃ遣わんでも」
A「なんで今更横山さんに気を遣わなきゃダメなの」
まあそれもそうか。
A「とにかく、
絶対お礼するから！」
「ぶっ
ほんまお前1回言うたら聞かんよな
頑なやわー」
A「…それ褒めてませんよね」
「いや？
ええんちゃう？」
A「適当！
なんて言ってる場合じゃないや
お仕事までそんなに時間無いでしょ？
少しでも1人でゆっくりしたいよね
ごめんなさい」
お邪魔しました！と歯を見せて笑うと
バタン！と大きな音が鳴らないように
丁寧にドアを閉めて出て行った。
"少しでも1人でゆっくりしたいよね"
自分はまだ時間あんのに
俺のこと考えてくれたんや
免疫力アップ会とか訳の分からんこと言うてたん
昨日の話やのに。
「唯子…より、」
Aのことばっかやん。俺。
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作者名：和海
| 作成日時：2017年6月16日 17時
