蒸しパンと占いと二度寝と 2017/6/21 ページ11
Aside。
.
色んな種類のパンと
おっきいパックのアイスコーヒーと牛乳
あとプリン
横山さんが持って帰ってきたビニール袋の中身。
1つだけのプリンは横山さんが食べるのかな。
少しすると弟さんが朝風呂を終えて
髪も乾かした状態で出てきた。
横山さんが買って来てくれたパンの中から
何を食べるか弟さんと選びながら
朝のニュースを見る。
弟さんはくるみパン。
私はたまご蒸しパン。
横山さんはメロンパン。
.
「あ、牡牛座1位だ」
7時前の星座占い。
蒸しパンをちぎってパクパク食べながらぼんやり眺める。
充「Aちゃんも牡牛座なんですか？」
「弟さんも？」
充「弟さんて(笑)
充でええですよ！
僕じゃなくて、侯兄ちゃんが牡牛座！」
「へえ
お揃い！」
既に食べ終えて食後の一服のためベランダにいる横山さん。
その背中を見て言ってみるけど
どうやら届いてはいないらしい。
.
私がたまご蒸しパンを完食する頃には
歯磨きを終えてスーツに着替えて
家を出る準備万端の充くん。
充「ほんなら行って来るね！」
横「おん
行ってらっしゃい」
「行ってらっしゃい！」
充「Aちゃんにお見送りされんのめっちゃええわぁ」
横「アホなこと言うてへんとはよ行け！」
"行ってきまーす！"と元気よく家を出て行った充くんの背中に手を振る。
横山さんと2人きりになった。
充くんの居なくなった家は
さっきより少しだけ静か。
横山さんの後に続いてリビングに戻る。
横「A仕事何時から？」
「今日は15時」
横「俺13時にマネ迎えに来んねん」
「早起きしちゃったね」
横「おん
二度寝するわ」
「うん、？」
私の手をスッと握って
スタスタと寝室に歩いて行く横山さん。
なんの迷いもなくベッドに入ると
私を中へ引っ張り込んだ。
「え？なに？これ」
横「なんか知らんけどお前おったらよお寝れんねん…
ちょっと付き合って…」
もう既に目を閉じていて
眠そうにゆっくり喋るから
なんだか私も釣られてきて。
まあいっかって
アラームをかけて
一緒に二度寝することにした。
横山さんは私を抱きしめたりすることはないけど
掴まれた手首は
そのままで。
冬の朝は冷えるのに
そこだけは熱が冷めなかった。
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作者名：和海
| 作成日時：2017年6月16日 17時
