sugar20.沖田総悟 ページ22
『ねーえ』
『もうお昼過ぎてるよ!』
「起きて」とコロコロとした鈴のような声で彼女は俺を揺さぶる。まだベッドから起きたくなく、薄く開いた瞼には太陽の光で出来たナイフが突き刺さるくらい眩しい。
俺は小さく唸り声を出しながら寝返りを打った。
『早く起きてよー』
『今日映画見に行くって言ったじゃんか』
「総悟」と俺の名前を呼んだAの声が耳に響き、うるさいそれを宥めるために彼女の後頭部を引き寄せる。
そしてそのまま自分の元に倒れ込ませ、抱きしめたのだ。
『一緒にねやしょ?』
自分の腕の中にすっぽりとAは収まるが、「いやだ」「起きて」と抵抗されてしまう。暴れる彼女を押さえ込むようにギュっと力を込めて閉じ込めた。
『もうちょっとだけ』
『くっつきたい』
Aの耳元で甘い吐息を囁けば、俺の思惑通りにピタリと大人しくなる。そんな彼女が可愛くて、小さく笑えば「ちょっとだけだからね」と頬を赤らめた。
すん、と鼻をすするとお日様みたいな匂いがする。布団からか、Aから薫ってくるのか……。
分からないが、彼女がいると俺はダメ人間のようにだらけてしまうのだ。
俺の着ているシャツにプリントされているアルファベットをなぞるAの指がくすぐったく、止めて欲しくてキスをした。
啄ばむようなキスでは満足できないみたいで、まだ開ききらないボヤけた視界に彼女を映してはその桜色に実る唇を食べるように自分のを合わせていく。
すっかり目が覚めた俺はAの肩口にグリグリと頭を押し付けた。そんな俺の髪を優しく彼女は梳き、少し離れた俺の口唇に自分からキスをする。
『……映画、行きやす?』
『んー……やっぱり行かない』
「こうしてたい」と俺の首に腕を回したAは、再びベッドの中へ俺を引き戻した。
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ハル(プロフ) - なな天パさん» いいえ〜! ね、本当に教師との恋愛って憧れるけど実際どうなのかなー、と考えながら作った結果がなんだこれって感じになってしまったのですが、そう言ってもらえるととてもありがたいです(´ ∀`) 閲覧とリクエスト、ありがとうございました (2018年1月6日 11時) (レス) id: 645308de9c (このIDを非表示/違反報告)
なな天パ(プロフ) - ハルさん» リクエストを受けて下さりありがとうございます!夢主ちゃんが冗談が嘘って言った後の松陽先生の確認の行動が可愛かったです。あと、最後、二人でひとつのブランケットって言うのがすっごい良かったです。全部ひっくるめて最高でした!本当にありがとうございます!! (2017年12月30日 20時) (レス) id: 63c427bf32 (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - 紫蘭さん» 儚すぎて書き終わった瞬間に「ううん」と首を捻ってしまうくらいのあれですね……(;´д`) バイオバザードとかやってたんですか? それはそれでいいクリスマスだと思いますよ!自分の好きなことをするのが一番です! こちらこそ閲覧ありがとうございました( ´ ∀`) (2017年12月30日 11時) (レス) id: 645308de9c (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - 銀皐月さん» まじか!ありがとう!! もうハルとして見てもいいよ笑 どうせそっちも何にも変わらないハルだし笑 うん、頑張るね! あっちでも夢書きやってるから、また時間があったら見に来てくださいな(^人^) ありがとう (2017年12月30日 11時) (レス) id: 645308de9c (このIDを非表示/違反報告)
紫蘭(プロフ) - 儚いのがまた良いですね。私好みです笑 ちゃんとクリスマスになってますよ!!こんなクリスマス…羨ましいです…。私なんて、前日も当日もゾンビから世界を守ってましたから笑 でもハルさんのお陰で最高のクリスマスになりました!!ありがとうございます! (2017年12月27日 15時) (レス) id: 684ce788b1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ハル | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/harumemory
作成日時:2017年9月5日 18時