Sweet Home 1

決めた ページ7

「ありがとう。またね」


リョウジくんと話して

不安だった気持ちも整理ができて

落ち着いてきた




一呼吸して振り返ると

KJ氏がリビングのドアにもたれるように立っていた



「あ、おかえりなさい。

気が付かなくてすみません。

いつ帰られたんですか？

声かけてくだされば良かったのに」




「気にしなくていい。

君の私的な時間を拘束するつもりはない…

が…」



言葉を続けながら

ソファーに座ったKJ氏が私を見た


「今から時間をもらいたい。話せるか？」



「はい。こちらもお時間頂いてすみません...」



スーツ姿のKJ氏は、何というか

すごくオーラがあって

その言動とか

近寄りがたい雰囲気もあって

すごく緊張する

でも、私の決めたことを受け入れてもらわないと



「まず君の考えを聞かせてくれるか？」



「部屋を探すつもりです。

正直に言うと、ここは気に入っているので

このまま住みたい気持ちなのですが

ご迷惑でしょうし

私自身も男の人と暮らすというのは、難しいので。

ですが、新しい家が決まるまで、ここに居させてもらえませんか？

両親と兄はそれぞれ海外にいるので、行くあてがないんです」




図々しいと言われることも覚悟して返事を待つ




「分かった。

じゃあ、ここにいる間のことだけど、

お互いに干渉はしない。

ただ、同じ家に暮らしている以上、

最低限の気遣いはする。

オレはこっちの部屋を使う、風呂もあるし。

君は今まで通りでいいか？

他のスペースは共用ということで。

オレからはそれくらいだけど

君の希望は？」



あまりにあっさりと了承してくれて

どんどん話が進んでいって

私のほうが追い付かない


「えっ、はい。大丈夫…だと思います。

でも、いいんですか？ 私がここに居ても」




「いいかどうかは分からないけど、

ダメだと言う理由も特にないから」




「そうですか...

とにかくありがとうございます。

なるべく早く新しい所を決めますので

よろしくお願いします」




「じゃあ、そういうことで。よろしく」




KJ氏は席を立つと

そのまま自分の部屋に入っていった



とにかく良かった…んだよね？

断られたわけでもないし、

怒られたわけでもないのに

なんだろ、この緊張感は

疲れた...

一緒に暮らすなんて大丈夫かな

本当に早く住むところ見つけなくちゃ


あっ、また謝るの忘れてた

まだちゃんと謝ってなかったのに

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