Sweet Home 1

言い訳 ページ48

「天気予報だ。

今夜は冷えると言っていたから。

出かけるついでに持ってきただけだ」



ジェジュンさんは、いつものトーンでそう言った

けど...


「私に会う確率なんてほとんどないのにですか？」




「･･･Aが、ここにいるだろうと思って来た。

同窓会の案内状に場所も時間も書いてあったから」




「私を心配して来てくれたんですか？」




「オレはただ忘れ物が気になっただけだ」



「忘れ物？」



「テーブルの上に置いたままだったから」



チャック付きの小さなポリ袋を渡された

中身を見ると…ピアス？


「あぁ！出かける前につけ替えたので、

置きっぱなしにしちゃいました」



「そうか。それならいい」



わざわざピアスを？

もう帰るような時間に？


運転するジェジュンさんの横顔を見る

暗いからよく分からないけど、照れてる？


ふふっ

この大人で素敵なジェジュンさんが

私を迎えに来る為に、一体いくつ

こんなかわいい言い訳を用意してきたんだろう



杉本くんに、あんなこと言って牽制したのも、

今までのコウちゃんや橘さんに対する言動も、

私のこと心配してくれて

それから...


「ねぇ、ジェジュンさん？」



「何だ」



「それだけですか？」



「何が？」



「私を迎えに来てくれた理由です。

ストールにピアス、それから？」



「･･･心配だったからだ」



ちょっとぶっきらぼうに答えた



「それだけですか？」

　

「それだけだよ。何が言いたいんだ？」



「ヤキモチ」



「････くだらないこと気にするな。

ほら着いたぞ」



ちょうど家に着いた

私は車を降りずにジェジュンさんを見た



「ねぇ、ジェジュンさん」



「何だ、さっきから。もう降りるぞ」



「私のこと好きですか？」



車を降りようとしていたジェジュンさんの動きが止まった


はぁー、と大きく息を吐いたジェジュンさん



「家に入ろう。話しはそれからだ」

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