Sweet Home 1

病室 ページ31

気が付くとベッドに寝ていた

病院だ…


「A？」



「ユミ...？」


心配そうな顔をしたユミがいた


「ユミがどうしてここにいるの？」



「橘さんから連絡もらって...」


橘さん？

視線を動かすとユミの後ろに橘さんの姿が見えた

今にも泣きそうなユミと少し遠慮気味な橘さん


「ユミも橘さんもありがとう」


私は申し訳なくて、なるべく明るくそう言った





「A！」


私を呼ぶ声と共に病室のドアが開いた


「あっ...」


私のそばに来ると、そっと手を握った


「遅くなってすまない」


「ジェジュンさん...」


ジェジュンさんの顔を見て、声を聞いたら

色々なものが溢れてきた


大きな温かい手が優しくて

私はそのままジェジュンさんにしがみついた

そっと私の頭に手を置いたジェジュンさん

その空間に安心して涙が溢れた






「目を覚ました事、看護師さんに言ってくるよ」


橘さんが、そう言って席を立った



「オレもリョウジに連絡入れてくる。

リョウジに連絡があったんだ。

不動産の保証人の欄に連絡先があったから。

あいつ、出張中でオレに電話くれたんだ」


ジェジュンさんは、ユミに向かって

「もう少しだけAのそばにいて」と言って

リョウジくんに電話をかけに行った




「今の人って同居してる人？」


ユミが聞いてきた


「うん」


「そっか」


ユミはそれだけしか言わなかった



それから先生と看護師さんが来た

とくに大きなケガはないけど

明日、念の為、精密検査をすると言われた




「あとは私が付いてますから、お二人は帰って

休んでください」


ジェジュンさんがユミと橘さんに言ったら


「身内でもない方に申し訳ないですから、

僕が付き添いますよ」


橘さんがそう言った


「会社の方だと聞きました。

そちらこそ、これ以上は範疇を超えるのでは？」



「...分かりました」



ジェジュンさんみたいな人にこんな風に言われたらね...



「色々と心配かけてすみません。

付き添ってくれてありがとうございました」


私はユミと橘さんにお礼を言って

帰ってもらった

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