一 週 間 ダ ケ 。 【中務 裕太】

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中務｢…意味わからんのやけど｣


『一週間でいいから。一週間経ったらこれ返すから。それで、その、…絶対それで諦めるから。』





お願いします。って頭を下げれば何も言わない代わりに頭に突き刺さる視線。




あー、私の高校生活終わった。でももうナカツカユウタと話せて告白まで出来たことを自分で自分を褒めたいと思う。




だってあのナカツカユウタの声を生で聴けてそれを私に向けて発してくれたんだもん、もう、幸せでした。





中務｢一週間、付き合ったら返してくれんの？｣


『……へ、』


中務｢え？｣


『あ、あ、はい！！！！！！』


中務｢一週間な。ええよ。｣


『……い、いん、ですか？』


中務｢いいんですかって、あんたが言ってきたことやろ｣


『あ、私、1年3組25番登坂Aです！よろしくお願いします！！！！

大好きです！！！！！！』





こうして、奇跡の一週間が始まったんです。





『……とりあえず、カバン持ってきます！一緒に帰りましょう！駅までは同じですから！！！』


中務｢は、なんであんた俺の帰る方面知って、｣





伊達にナカツカユウタのストーカー(仮)やってませんからね。なんて心の中であっかんべーして走って立ち去る。




ちゃんと手の中にはナカツカユウタの携帯がある。









教室に飛び込んで自分のカバンを掴めば待っていました。とばかりに由奈と隆太の手が私の両腕を捉えた。





由奈｢どうしたのそんな慌てて｣


隆太｢まさかまさかの…？｣


『とりあえず一週間だけ。付き合う事になった。詳しいことはコネグループで！』





コネグループとは私達3人のLINEグループの事で、コネはなんか…お兄ちゃん達のコネ的なあれですよ。察して。ネーミングセンスねぇなって思った人、あれですから。




犯人は隆太ですから。ね。





『そんじゃ！また明日！！！！』


由奈｢頑張ってね〜！｣


隆太｢報告待ってるからー！｣





そんな2人の声を聞いて廊下を全力ダッシュ。途中で担任にすれ違ったけどごめんなさい。わたくし今一世一代の運命の時なんです。





『ナカツカユウタ…先輩！！！！』





やばいやばい、いつもの癖でナカツカユウタって言おうとしちゃった。





『っていうか私彼女だから裕太くんでいいか。』


中務｢えー…まじで一緒に帰るん？｣


『だって恋人ですから！！！！』





あ、やばい。恋人って響き最高。幸せ。







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