一 週 間 ダ ケ 。 【中務 裕太】

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5時間目が終わってすぐに由奈と移動教室から教室へと戻る最中、右ポッケに入れておいたナカツカユウタの携帯が震えた。





『あ、あ、あ、あ、あ、あ、数、数、数！！！原龍友って、あの、あ、』


由奈｢落ち着け。深呼吸しろ。それから早く出てやれよ｣





相変わらず土壇場(？)になると毒舌発揮するこの子。絶対彼氏できないよ。もう。




意を決して緑色の受話器をスライドさせれば通話開始の文字。





『…は、い』





あ、やばい声震えた。やばいって。





中務｢(あ、)｣





電話越しに聞こえたその1音がもう、好きですって今にも発狂しそうになってぐっとナカツカユウタの携帯を握りしめる。





中務｢(その携帯の持ち主の、中務裕太ですけど)｣


『ぎゃｯ!!!』





無理無理無理、声イケメンすぎて無理待ってほんとイケメン。




目で由奈に訴えれば落ち着けって冷たい目線を突きつけてくる。





『あ、いえ、すみません。えっと…』





できるだけ普通に。なるべく普通に。何ともないですよーって感じで。落ち着いて。





中務｢(あー、とりあえず預かっといてもらっていいっすか。)｣


『あぁ、はい、あの、』





“好きです”なんて口走りそうでぐっと耐えるけど、もうなんて言うかナカツカユウタと電話越しにでもこうやって話せることに幸せを覚えました。




片寄A感激です。あ、違う、私今登坂だわ。登坂A感激です。幸せをありがとう神様。





中務｢(放課後、二階渡り廊下で)｣


『了解で、す…』





了承の言葉を喉の奥から絞り出して言えばプツリと切れた電話音。




無理、この無機質な電話音すら愛おしい。どうしよう、好き。





由奈｢……A、これってさ、｣





目をキラキラとさせて言う由奈にん？と聞き返せば





由奈｢チャンスだよ！！！！神様から与えられたチャンスだよ！絶対そうだ！

告れ！！！推せ！！！！｣


隆太｢何が？告白でもすんの？｣







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