子育て始めました。

13話。 ページ14

つばさ達が帰ってから一人リビングで今度から

行く地方公演の荷造りを進めていると

貴「ひーくん。」

「あれA起きちゃった？」

貴「さっきのおにいちゃんたちは？」

「Aが寝ちゃってからちょっとしてから帰ったよ。」

嘘。本当は2時間くらい居座られた。というか、

今日は泊まるとかつばさが言い出したけどマネ

ージャーさんに電話して連行してもらった。

「まだ寝てて大丈夫だよ。それともお風呂入る？」

貴「ん、はいる。」

まだ焦点の合ってない目でポヤポヤしながらパ

ジャマ(俺の服)を持ってお風呂に行く。それ

はそうとAは8歳にしては相当自立してる

方だと思う。俺や俺の妹はあれぐらいのときあそこ

まで自立してなかった。父親の性格を引きずっ

てるのか長女だからか、もしくは拾われてると

いう立場を子どもなりに理解してるのか。もし

そうなら遠慮する必要はないと教えてあげた

い。本来なら甘えたい盛りなのにそれを我慢す

る必要はないと。でも俺から言ってもA

は絶対納得しないだろうからもうちょっと仲良

くなったあとにつばさ達から伝えてもらおう。

普段はあまり執着しないタイプのAだけ

どそういうとこは絶対に譲らない。まったく自

我が強いのかそうじゃないのか。







Aが上がった後にさっと風呂に入って寝

るためにベットに行くとまだAが起きて

た。

「A先に寝てても良かったんだよ。」

貴:ﾌﾙﾌﾙ

「ん？」

貴「ひーくんといっしょにねるの。」

そう言われると先に寝ろ何て言えない。ホント

にこういうところが可愛い。

「そっか、じゃあおいで。」

貴「うん。」

一緒に布団に入るといつものようにAが

抱きついてくる。暖かくて落ち着く。

貴「おやすみなさい。」

「うん。おやすみ。」

今日はよく眠れそうだな。

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