検索窓
今日:3 hit、昨日:2 hit、合計:531 hit

席替えなんてなくなってしまえ──氷 ページ2

注(中学生幻徳)


「A、・・・A!」

なんて授業中小声で話しかけてくるのは日常茶飯事。
こんな生活もあと少しかな

隣の席のおぼっちゃま。氷室幻徳。
その綺麗な瞳と、鼻筋。横顔によく目を奪われる。
こんな感じで授業中に話したり、先生に隠れて絵しりとりしたり
それなりに仲良い、はず。

一緒に帰ったりもしたくて口実を探すけど、
彼はリーダーシップもありクラスの中心、私はクラスでは目立つ方ではないから不釣り合いだし。

でも、彼が他の女の子と楽しそうに話してるのを見ると胸がチクリと痛んで、焦る、他の子に取られちゃう。
これが恋なんて気づいちゃったら。
席替えがもっと怖くなる。

私が落ち込んでる時、後ろからAって呼んで
へんてこな文字のTシャツ見せて笑わせてくれたことが嬉しくて頭から離れない。

席替えしちゃうともう話せなくなるかな。もっと彼のことを知りたいのに。

少しだけ勇気を振り絞って聞いてみようかな。

彼を見つめていると透き通った目と目があった。
彼が何?というふうに首を傾げる姿も愛おしくて、また胸が痛い。


「夏休み終わったら、席替えしちゃうかなあ。」

「そうかそんな時期か。」

「嫌だなあ。」

「あーあ、席替えしてもまたAの隣になれたら楽しいだろうなあ。」

幻徳はポリポリと頭を掻き目を逸らしまた目を合わせて笑みをこぼす。

「あー、うん!そう、だね。私も隣がいい。」


え?え?上手く返事できてた?
こんな会話、2人だけの世界に入ったみたいで嬉しい。
隣になれたら楽しい、なんて彼の口から聞けた。
鼓動が早くなって彼の方なんかもう見れなくて、
胸の痛みが止まらなくなって、こんなのもう、好きみたいじゃん。





.

席替えなんてなくなってしまえ #2→←振り向くことはもう、──氷



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (1 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
3人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:plumes | 作成日時:2023年7月17日 0時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。