君がこの世にいる限り。 (ページ1)

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振り向くことはもう、──氷ページ1

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【ごめん、幻徳、ごめんね、別れてほしい。】

スカイウォールの惨劇から1年経った頃。
Aから別れを告げられた。

目を閉じると、瞳を涙をいっぱいにして別れを告げるAの姿が未だに鮮明に浮かんでくる

俺を見つめる彼女の瞳が水分でキラキラと輝いていて、最後まで綺麗で、こんなの忘れられるわけがないと思ったし、現状全く忘れられていない。

【幻徳といる時間すっごく楽しかったよ。今まで、ありがとう。】

その頃3年ほど付き合っていたAから
「幻徳、なんか変わったね。」
なんてよく言われるようになっていた。
俺は、長く付き合えば、悪いところも見えてくるから変わって見えるのも当たり前だろう。と思っていた。

そこで気づけば、あの光で邪悪になっていることに気づいていれば、何か変われただろうか。

別れを告げられても、自分のしていることが間違っていると気づけなかった。
自分の正義を彼女に語っても彼女には全く理解ができないようで
彼女のどこに触れてももう、振り向くことはなくて。
彼女の頬が染まることはもうなくて。

研究所の研究員だった彼女とは別れてからもよく顔を合わせるからすぐに、やっぱり幻徳じゃないとダメだなあ、なんて縋ってくると思っていた。

親父が死んだ時、時々思い出すのは彼女だった。
あの時大切にしていれば、今隣で俺にどんな言葉を掛けてくれただろうか。
彼女の胸で泣きたい。甘えたい。

今、彼女は無事だろうか。
仮面ライダーになった今、俺は彼女を守れているだろうか。

ネビュラガスを注入され正気に戻ってやっと自分の過去の行い、過ちがわかった。
振り返ると彼女をたくさん傷つけていた。

彼女に最後に触れた手に未だに温もりを感じる
俺はまだ彼女を忘れられずにいる。

〔私、幻徳じゃないとダメだなぁ〕
なんてはにかんで言う君の姿を何度も想像した
こんな妄想しても、ただ切なくなるだけなのに。

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別れてから9〜10年も経っているのに未だに男側が忘れられないほど愛しているみたいなの好きです。特に幻徳にはそういう思いしててほしい。