揺らぐ気持ちと心の距離 ページ15
＝チャンミン＝
“似た者同士３人組”と呼ばれる俺達は､キュヒョンが中国に行ってから､必然的に二人でいる事が増えた｡
イーシンとAの【キス未遂事件】(←しあ情報)を知って､俺はイライラしていた｡
ジョンスにチャニョル､二人だけでも厄介だというのに…イーシンまでとは！
〔誤解ですけど…｡byイーシン〕
正直､Aの気持ちが､俺以外に揺れるなんて…､考えた事もなかった…｡
そんな時､薄々は気づいていたミキの気持ちが確実なものとなる｡
いつも俺だけを､見つめて一途なミキが､以前のAと重なってみえた…｡
そんなある日､生徒会の仕事が遅くなってしまい､ミキを家まで送ることに｡
何故かジョンスも一緒に｡
３人で校庭を歩いていると､ミキが指を差して言った｡
「門のとこに誰かいる｡お迎えかな？」
電話しながら､大きく片手を降り､飛び跳ねている奴｡その姿に見覚えが…誰だ？
そいつが､見ているであろう方を見てみると…｡
やっぱり､電話しながら､小さく手を振り返しているAが｡
「Aちゃんのお迎えなんだぁ｡」
「あれ…､キーだよな？なんでキーが？確か､留学してるはず…｡」
ジョンスも同じ事を思ったのか､そう呟いていた｡
Aは､そのままキーに近づいて行った｡
キーは､Aをハグして､何かを渡したようだった｡
そして､またAにハグすると､大きく手を降りながら帰って行った｡
「Aちゃんに何の用だったのかな？デートのお誘いだったりして？」
「まさか…なぁ､ジョンス？」
振り返るとジョンスがいない｡
「ジョンス君､早い！」
「はっ？」
「ほら､Aちゃんと帰るって｡」
指差す方を見ると､
“マイハニー､A！”と､聞こえた気がした｡←
また抱きついてるし…｡
「…｡」
抱きつくジョンスにも､拒否しないAにも､苛つく俺｡
「チャンミン…｡」
不意にミキが､俺の手を握った｡
「チャンミン､私じゃ…ダメ？今は…Aちゃんの代わりでもいいから…｡」
ミキの瞳から､一粒の涙が落ちた｡
「ミキ…｡」
流されるように俺は､ミキを抱きしめていた｡
一瞬､気持ちが揺らいで…｡
その行動が､Aとの距離を､更に遠ざける事になるなんて…｡
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作者名：HappySwan | 作成日時：2013年4月25日 9時
