貫かれたのは、彼女の正義 ページ4
⁂バドエン注意
スワンプマンの母体を、殺す。
そう決心してからは早かった。
母体の首をあらん限りの力でギリギリと締め上げる。
なにがあっても手を緩める気はなかった。
これで、スワンプマンが増えなくなるのだから。
俺がためらえば、スワンプマンはそれだけ増えていくかもしれないのだから。
「私が死ねば、我が子たちも死ぬ」
そう、言われるまでは。
俺は殺すべきか、殺さないべきか、少し迷って。
平太と意見を交わし、戦った。
内容はとてもではないがお目にかけることはできない。
何はともあれ平太に勝利し、俺は母体をどうするかの決定権を得た。
俺は母体に向きなおり、たった一つの懸念…
ミミがスワンプマンかどうか、聞いた。
しかし、母体はなにも教えてくれない。
もし、ミミがスワンプマンなら
もしミミが死んでしまったら
俺は壊れてしまうかもしれない。
大切な人を失いたくない
たとえ偽物であったとしても生きていてほしい
でも、俺はこいつを見過ごすことで、ミミとの全てが無になってしまう
今までの、大切な、大切な…時間が。
そして、たどり着いたのはミミなら今どうするんだろうか、という問い。
俺の正義はミミの正義。
俺はミミの分の気持ちも背負ってここまで来たのだから。
きっとミミは、これ以上の殺人を望むまい。
たとえ、自分が死ぬことになろうとも。
自分の身を顧みたりなどしないのだろう。
そんなところがまぶしいんだ、そんなところが好きなんだ。
ずっと、それを貫いてほしいんだ。
俺がそれを曲げたら、ミミから託された思い、正義を曲げたことになってしまう。
ミミは、正義を貫けなくなる。
だから俺は、覚悟を決めた。
「俺は、お前を殺す。」
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作者名：悠唯 | 作成日時：2020年12月6日 21時
