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翔「甘ったれにほだされて、てめぇまで甘ったれてんじゃねーよ」
天井に向かって吐き掛けた言葉が、そのまま自分に降りかかる。
それを振り払うように立ち上がって、熱いシャワーで甘ったれた自分を洗い流す。
逃げんのも、転がり堕ちんのも趣味じゃねーだろ。
そんなダサ過ぎる人生送るために、今まで生きて来た訳じゃねーし。
翔「境界線越えるって決めたなら、つべこべ言わずにさっさと越えてみろよ」
洗面所の鏡に映る自分に向かって呟いて、バスタオルで力任せに濡れた髪を擦る。
スーツに着替えて、仕度が全部整ってもなんの動きも無い寝室のドアを眺めて。
リビングの電話の横のメモ用紙に、ペンを走らせた。
【また泣かれんのめんどくせーから、先に行く。じゃーな】
どうせ起こしても、ただ泣きじゃくる顔見るだけになるし。
さっき洗い流したもんがまた戻って来るような、ダセぇことになんのも嫌だし。
寝室に入って、眠ってるAの枕元にメモ書きを置いて、そのまま部屋を出ようとした。
「……せんせ」
背中から聞こえた子供みたいな声に、ドアノブに掛けた手が止まる。
振り向いたら、眠ったままシーツの端をぎゅぅっと握り締めて。
泣きそうな顔で俺を呼ぶ、Aがいて。
翔「…っ」
頼むから。
もうそうやって、無防備に俺の内側を揺さぶんのやめてくれよ。
もうこれ以上、誰かに溺れる自分を自覚すんのが怖ぇんだよ。
こんなに誰かを愛しいと思う自分に、自分自身が追いつかねぇんだよ。
ドアから離した手で、ぐっと一度拳を握り締めて。
細い身体を縮こまらせて眠るAに近付いて、ベッドの縁に静かに腰を降ろす。
ガラス窓を突き抜けるように射し込む朝陽に照らされたその姿を見下ろして。
腕時計の針が立てる微かな音を聞きながら、気が済むまで見下ろして。
俺に必要なはずの、未来に向けた揺るがない意志が、
今自分を支配してる甘ったれた熱に打ち勝つのを、ただじっと待った。
愛しいと思うなら。
離したくねぇと思うなら。
今俺がいるべき場所は、ここじゃねぇ。
翔「じゃーね」
立ち上がる直前、吸い寄せられるようにふっと身体を倒して。
Aの額に、薄く口付けた。
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あげは(プロフ) - さくらいみくじゅんさん、コメントありがとうございます！そして、お返事遅くなってごめんなさい(T△T) お返事より前に、リクエストにお応えしてしまいました(笑)。第2章の”Time to begin”、楽しんでいただけますように(*´ー｀*)☆ (2017年9月21日 0時) (
レス) id: 02b4f5b3a5 (このIDを非表示/違反報告)
さくらいみくじゅん - あげはさんの作品もう大好きです！帝王すぎる櫻井先生最高です！！あと、翔潤クラスタ的に翔潤の絡みが多いので毎回死んでます。ありがとうございます←笑是非とも！櫻井先生と松本先生の出会いからの今の仲良くなる関係についての話を書いてほしいです！ (2017年9月4日 20時) (レス) id: 1bc599c89a (このIDを非表示/違反報告)
あげは(プロフ) - arinoさん» arinoさん、嬉しいコメントをありがとうございます(T△T) 私も、本編でお伝えしきれなかった諸々を知っていただけてとても楽しく書いてます。カズのプロポーズ、私もきゃーきゃー言いながら書いたので(笑)、きゅんきゅんしていただけてとっても嬉しいです(*´ー｀*) (2017年8月14日 22時) (レス) id: bcec075e42 (このIDを非表示/違反報告)
arino(プロフ) - あげはさん…！ほんとーに、 ここのみんな素敵すぎて大好きです！この、裏側シリーズ最高！本編がさらに深くなって、また読み直したくなりますね！私、ほんと、ここのカズ君大好きなんですが、ほんとキュンキュンでどうしよう。いつもありがとうございます！ (2017年8月12日 1時) (レス) id: 0185ce5d78 (このIDを非表示/違反報告)
あげは(プロフ) - 黒衣さん» おぅ!! zen-raで待っておれ!!! shita-giはいらぬっ!!!←いや、だからなにこのテンション(爆笑)。黒衣さんくそどS好きそうだもんなぁ…最後のあの一言は、ズッキュン来ますよね。でももうご承知の通り、あっちにいっても先生は抱いてくれないんだぜっ！(ある意味どS) (2017年8月2日 15時) (レス) id: bcec075e42 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あげは
| 作成日時：2016年8月11日 15時
