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潤「ハモった(笑)」
翔「お前ら紛らわしいんだよどっちも先生って呼びやがって」
潤「もうどっちも先生じゃねーのに(笑)」
翔「Bカップはいい加減やめれば？いつまで先生先生言ってんだよ」
奈緒「っ、だって直らないんだもん」
翔「いつまでも女子高生気分のお気楽女だからじゃねーの」
奈緒「ちょっと！」
潤「でも最近は結構呼ぶじゃん？」
奈緒「えっ…」
潤「……なぁ？」
奈緒「…っ」
瞬間湯沸かし器のように真っ赤になった奈緒ちゃん先輩が、からかうように笑う松本先生のお腹をどんどん叩く。
潤「ちょっ、あーぶねーって叩くなよ」
奈緒「先生が悪いんでしょっ」
潤「だって本当のことじゃん(笑)」
奈緒「もういいからっ」
潤「わーかった(笑)」
前の席で仲良さそうにじゃれ合う2人に頬をゆるめながら、ちらっと隣を見たら。
いつもならこんな時、どS発言を繰り出しそうな先生が、黙ったまま2人を見てる。
それは、先生がこの2人を見る時にだけ見せる。
呆れてるのに、ちょっとだけ、優しい顔。
その柔らかい表情に、きゅぅぅぅっと胸が切ない音を立てた。
…今日、来れてよかったな。
みんなの大切な先生に逢わせてもらえて。
先生が、どんな気持ちで教師になったのかを聞けて。
ありえないほどゲスくてとんでもない話もいっぱい聞いたけど。
話しながらところどころで爆笑してる4人は、すっごく楽しそうで。
あの3人の前では、爽やかな表の顔でも、どSな悪い顔でもない。
まるで男子高校生みたいに無邪気に笑う、先生が見られて。
もうこれ以上好きになれないはずなのに。
もっと好きになる。
もっともっと、櫻井先生を好きになる。
いつか保健室で、杉崎先生と奈緒ちゃん先輩が羨ましいなって思ってた。
いつかレストランで、先生2人と奈緒ちゃん先輩を少し遠くに感じてた私が。
今その輪の中にいられることを。
心から、幸せだと思う。
目を伏せた先。
私の右手の隣にある、大きな手。
ちょっとでも触れたくて、そっと手を動かしたら。
見透かしたように、すっとその手が私の指を避けた。
「…っ」
恥ずかしくて、ずきっと痛んだ胸を隠すように目を伏せた時。
避けたその手が、ぐいっと私の肩を抱いて。
ふわっと前髪を垂らして、斜めに傾いた先生が。
驚いて顔を上げた私に、覆い被さるようにキスした。
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作者名：あげは
| 作成日時：2016年7月6日 1時
