BT -Black Teacher- 10 *+:S.S:+* (ページ14)

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▼382　Side.Miyuki ページ14

　
2人で肩を竦めて謝ったのも束の間。

がたっと椅子を引いて、先生に寄っかかるように肩を預けて、またいたずら描きを眺める。

翔「でもその女はそそるね。女子高生にしては色気ある」

智「…やらしー目で見んなや」

翔「いや見るでしょ」

智「こいつはダメ」

翔「…もしかしてこの子、先生の彼女？」

智「…そう」

翔「生徒に手ぇ出してんのかよ」

顔を寄せて極小声で囁く俺に、ふふんって笑って。

「まーね」って、涼しい顔。

…やっぱこの人、まともな教師じゃねぇ。

智「3人とも好きなの」

翔「ん？」

智「3人とも寂しがりで、自分より人のが大事で。みんないいヤツで…かわいーの」

翔「……」

智「あいつらも、俺のことすげー好きだし(笑)」

ふにゃふにゃ笑ってっけど。

なんかやたら…教師の顔。

翔「…この世で一番足が美味いし？」

智「んふふ…そう」

翔「えろ教師じゃん」

智「えろくねーし」

翔「俺にも味見さしてよ」

智「やだわ(笑)」

翔「…3Pでもいいよ？」

智「バカか」

智・翔「「……(顔を見合わせて爆笑)」」

教育委員「ちょっとあなたたちっっっ」

・

・

2度目の鉄槌食らったあと、議事まとめで前に出た俺はそのまま進行やって打合せを締めた。

会議室を出て行く人に笑顔で挨拶しながら、真ん中まで歩いてって。

1人で帰り支度してる先生の目の前の机に、浅く腰かける。

翔「学校戻んの？」

智「ん。個展の作品まだ仕上がってねーからやんねーと」

翔「ふーん…」

イライラすることしかねぇ最近の俺にとって、気が晴れるのなんて女おもちゃにしてる時だけで。

でもこの人と話すのは、最初からなんか嫌いじゃない。

自分の生徒の足がこの世で一番美味いとか言っちゃう。

俺と同じ、まともじゃねー人間だからかね。

―― "みんないいヤツで…かわいーの"

先生はいつも、どんな顔で教師やってんの？

翔「…なんて、俺には関係ねーか」

智「んー？」

翔「いや、なんでもない。チャラ男たちによろしく言っといて」

智「ふふ…うん」

パンフレットの右隅に描かれた、いたずら描きにしてはクオリティ高い高校生3人を見下ろしてから、

「じゃーね」って、机から立ち上がって先生に背中を向けた。

智「…ねぇ、櫻井くん」

翔「んー？」

智「いつも1人で立ってなくたって、だいじょぶだよ」
　