☆3 ページ3
「…へ？」
そぉっと目を開けたら。
目の前に立って私を見下ろしてるその人の手に握られているのは。
ナイフではなく。
………ハケ？
そしてそこからどろぉっと滴っているのは。
真っ赤な血ではなく。
……なんか黄色く光ってる、液体。
？「まさか人が来るとか思わんくって。思いっきり飛ばしちゃった…ごめんなさい」
…っていうか、この声。
そのむかーし昔のヤンキーも真っ青なぼんたんのように、裾の広がったニッカポッカのシルエット。
「や…焼きサバ定食っ!!」
智「…は？」
急に叫んで立ち上がった私を、くりっくりのびっくりお目目で見つめて。
「あっ」って小さく呟く。
智「"あらしや"の…」
「はい」
智「……焼きサバ定食って(笑)」
「あ、…ごめんなさいっ」
智「俺店でそうやって呼ばれてんのか(笑)」
くはって面白そうに笑って、頭に巻いた真っ白なタオルをごしごし擦る。
この人は、うちの店のお昼の常連客。
いつも4〜5人で来て、がぁっと食べてばぁっと帰って行く。
ペンキ屋のお兄さん。
他の人は、日替わり定食とかその日によって色々注文が変わるけど。
この人はいつ何時でも必ず焼きサバ定食を頼む。
たしか、一緒にいるおじさんたちには…。
智「一応、智って名前ついてます」
そうだ。サトシ。
いつもおじさんたちの他愛ない、時にうすら寒いギャグの混じった話をにこにこ笑って聞いて。
だけどいっつも眠そうで。
焼きサバ定食を、もう猫も食べるところがないくらい、綺麗に食べる。
「ごめんなさい。あまりに驚いてつい…」
智「ふふ…別にいーよ。俺、本当にいつも焼きサバ定食しか食ってねーし(笑)」
「…まったく浮気しないですよね」
智「あのサバ食ったら、他の食う気しないの」
「……」
智「そんくらい、あらしやの焼きサバはうめー」
「…っ、ありがとうございます」
智「いーえ。こちらこそいつもご馳走さまです」
暗がりでもわかるくらいきらっきらの瞳をくるんっと揺らして。
ちょこんって会釈して笑う、焼きサ…じゃなくて智さん。
智「ってかそれ…ほんとごめんね」
「…え？」
智「いや、だからそれ…」
智さんの視線を辿って自分の身体を見下ろしたら。
一張羅のワンピースとジャケットの上に。
点々と光り輝く、黄色い蛍光塗料。
「はぁぁぁぁっ!? なにこれっ」
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いっちゃ(プロフ) - お久しぶりです。フリスタ2020の新しい画風見てこの物語を思い出しました。冒頭の壁の絵、あんな感じ何じゃないかなと。久しぶりにペンキ屋智くんに会いに行ってきます。 (2020年10月13日 22時) (
レス) id: 4f53938499 (このIDを非表示/違反報告)
あげは(プロフ) - おーちゃんさん» おーちゃんさーん、お返事遅くなってごめんなさい(T△T) この繋智がお休み中だからね…ペンキ屋智まで出張をありがとうございます(涙)。もちょっとで復活しますのでお待ちを！ (2017年4月26日 16時) (レス) id: bcec075e42 (このIDを非表示/違反報告)
おーちゃん(プロフ) - また来ちゃった！突然ワタシにやってくるペンキ屋智…キュンキュンを堪能させていただきました！やっぱり、あげはさんの智はたまりません！ (2017年4月9日 13時) (レス) id: 7e1932ee25 (このIDを非表示/違反報告)
あげは(プロフ) - ともさん» ともさんキミハケへいらっしゃいませー♪ってマジでめっちゃ読んでくれてるんすね…(感涙)。ペンキ屋智は、当時から智坦・他王子坦含めてめちゃくちゃ人気でした(笑)。気にいっていただけて嬉しいです(*´ー｀*) (2016年10月24日 16時) (レス) id: bcec075e42 (このIDを非表示/違反報告)
とも(プロフ) - 再びこんにちは♪やばっ!智くんカッコ良すぎ(^з^)-☆きゅんきゅん通りすぎてズキンズキンと心臓が痛い(笑)やっぱり智くんが好きだぁ( *´艸`) (2016年10月22日 11時) (レス) id: b4753fc97a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あげは
| 作成日時：2015年11月21日 20時
