◆89 ページ23
和「…なに、攻守交代？」
俺を見下ろすめぐを見上げてからかい半分で言ったら、「うん」っていたずら顔で笑う。
また俺をじーっと見つめてめぐが黙るから、目の前にふわっと垂れた髪を掬い上げて。
くすぐったそうに目を細めるめぐの耳にかけた。
和「なーに」
恵「ねぇ…、キスマーク付けていい？」
和「え？」
恵「ここに、キスマーク…」
さっき俺がしたのを真似するみたいに、首筋に舌を這わせて囁く。
和「…いいよ」
恵「え？いいの？」
和「自分で聞いといてその反応なによ(笑)」
恵「だって、他の子に嫌がられない？」
和「そーいうのを嫌がる人と、お付き合いしてません」
恵「ふふ…遊び人」
和「だから毎度言いますけど、あなたに言われたくないです(笑)」
笑ってるめぐの後頭部に腕を伸ばして、肩口に引き寄せる。
俺の胸に腕を回して、ぎゅぅっと抱き着くその頬にキスして。
そう。遊び人が俺には合ってんの。
誰かを独り占めしたいとか、誰か1人のものになろうなんて。
考えた俺が、バカだったの。
俺が前と同じように遊んでるってわかれば、そいつをフッた罪悪感なんて、すぐ消えるだろうし。
和「これで、全部元通り」
恵「え？」
和「んーん、なんでもない。…付けないの？キスマーク」
恵「やだって言われて無理矢理付けなきゃ面白くない」
和「なにそのドS発言(笑)」
くしゃっと頭を撫でたら、俺の耳に噛みついて。
「抵抗して」っていたずら声でめぐが囁く。
「やめてっ」って大袈裟に叫んで身を捩る俺に声を立てて笑うめぐの身体を抱き寄せて。
2人で子供みたいに、ベッドの上を転がった。
・
・
恵「ねー、今月いくらがいいー？」
枕を背もたれにして、めぐから貰ったタバコを吸ってる俺の方に振り返る。
和「あー…今月はいいや」
恵「え？」
和「CDの金入りそうだし、最近打合せばっかりであんま金使ってないし」
恵「…ふーん、そぉ」
一瞬なにか言いたそうに俺を見たあと、思い直したようにそう言って、出した財布をまたバッグにしまうめぐ。
恵「じゃあ必要になったら言って」
和「ん。ありがと」
なんでいらないって言ったのか自分でもよくわかんないけど。
なんとなく今日は、その金を受け取んのがやで。
飼い犬らしくねーなって、心の中で自分に突っ込んだ。
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あげは(プロフ) - レイ。さん» この章の絵を渡される場面が、跳べシリーズの中で一番キツいところだと私は思ってて。そこからみんなに支えられて気持ちに気付くまでが、AIで私が伝えたかったことでした。色んなことを感じていただけてすごく嬉しいです。BTまであと少しですよっ!!(笑) (2016年8月21日 23時) (
レス) id: 02b4f5b3a5 (このIDを非表示/違反報告)
レイ。(プロフ) - もう最高過ぎて最高過ぎて。読む手が止まりません！おまけもすごく良かったです！続き読んできたいと思います！ (2016年8月21日 18時) (レス) id: 525ab02d23 (このIDを非表示/違反報告)
レイ。(プロフ) - いつまでも忘れられない主人公ちゃんが可哀想だなって思いつつも皆で助けてあげようとする姿に胸が打たれて泣きそうになったりもう泣いたり心ん中がほっこりしたりと感情が豊かに動きまくってます笑 不器用ながらも大切な事に気付かせようとしてくれてる櫻井先生も良い (2016年8月21日 18時) (レス) id: 525ab02d23 (このIDを非表示/違反報告)
あげは(プロフ) - ゆゆさん» なんかかっこよかったので全然気にしないで下さい(笑)。AIは、私の長編の中でも特に苦しいお話なので、泣かせてばかりでごめんなさい(ノ_＜。) 現在編からBTへ。またこれからも、跳べメンバーをよろしくお願いしますっ(*´∇｀*) (2016年2月21日 0時) (レス) id: 02b4f5b3a5 (このIDを非表示/違反報告)
あげは(プロフ) - ゆゆさん» ゆゆさん、初めまして。コメントありがとうございますっ!! 私のお話を見つけていただいて、ありがとうございました(*´ー｀*) そしてもう…キミ花も跳べもまぁ長くて苦しいことの多いお話なのに、そんな風に言っていただけて感激です(T△T) "あげはの世界"って (2016年2月21日 0時) (レス) id: 02b4f5b3a5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あげは
| 作成日時：2015年11月1日 0時
