◇152 Side.Sho ページ15
視界が霞む前に、教頭が「んっ」て顎を上げたのがわかった。
いや、いくらなんでも。
そこまでしたら俺の唇腐るわボケ。
翔「一旦、待ってもらえませんか？」
もう目と鼻と口の位置がなんとなくわかるくらいでしかない教頭が。
「ふぁ？」っと殴りたくなるような声を上げた。
翔「松本先生の懲戒免職処分の適用。せめて文化祭が終わる11月末まで、待ってもらえませんか？」
教頭の体がぴくんと動いたから、壁に肘をついて触れそうなくらい耳元に口を寄せた。
身動きできない体勢で、ふっと耳に息を吹きかけてから。
翔「……そのくらい、待てるよね？」
「うんっ」って鼻に抜けるようなひっくり返った声で教頭が頷いて。
その後で、「あっ」って呟く。
翔「ありがとうございます」
教頭「ちょっと待っ」
翔「教師に二言はありませんよね？」
教頭「ですがっ」
うるせーなーもー。
往生際悪ぃんだよ。
つーか俺そろそろ飽きて来たし。
この線香臭いのも限界だし。
翔「うちのクラスの生徒の保護者から、『うちの子が、松本先生が居なくなってからほとんどご飯を食べないんです』って連絡が来たりしてるんですよ」
教頭「え？」
翔「そんな中でなんの説明もせずに急に辞めさせたら、学校辞めるって生徒も出てくるかもしれませんよ」
教頭「そんなっ」
翔「今年の文化祭には、教育委員会の視察も入るんですよね？その前にそんなことになって、学校中混乱したら…教頭先生のキャリアにも傷が付くんじゃないですか？」
教頭「……」
「めんどくせぇ!!」って叫びたいのを堪えて。
まだ官能の余韻が残る教頭の肩に手を乗せる。
翔「俺が教頭先生を守りますから。ちょっとだけ、お時間ください」
教頭「…っ。…わ、わかりました。では、1ヶ月だけですよ」
翔「ありがとうございます(にっこり)」
つーか早く言えよ。
俺のこの全身の鳥肌、どうしてくれんの。
体を離したら、「ぁんっ」ってもの欲しそうな声が聞こえて。
マジで一瞬吐きそうになった。
もう無理。
もう限界。
早く酒が飲みたい。
眼鏡外してんの忘れて歩き出して、机の足にガンッと膝を強打して。
周りには聞こえないくらいの舌打ちをしながら眼鏡をかけたら。
一番隅の席で、美雪がふふっと笑ってるのが見えた。
なにその顔、すげーそそるんですけど。
◇153 Side.Miyuki→←◇151 Side.Sho
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1816人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「嵐」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
nori(プロフ) - ずっと主様の文才とかいろいろに感動しっぱなしだった所で「うるせーばばぁっ」「きぃぃい！」のところで不意打ちすぎて笑ってしまいました笑ギャグも入れてくる辺り最高です笑 (10月9日 19時) (
レス) @page35 id: 415de435f6 (このIDを非表示/違反報告)
あげは(プロフ) - レイ。さん» あのシーンは、くそほど切ないところに突如ふざけたエピ投入でBT櫻井Loversが阿鼻叫喚でした(笑)。櫻井先生になら、あんなこと思われててもいいから壁ドンされたい｡:+((*´艸`))+:｡ おまけへの感想も嬉しかったです。ありがとうございました☆ (2016年8月20日 23時) (レス) id: 02b4f5b3a5 (このIDを非表示/違反報告)
レイ。(プロフ) - 最後のおまけもとて良かったです！(笑) (2016年8月19日 22時) (レス) id: 525ab02d23 (このIDを非表示/違反報告)
レイ。(プロフ) - 蜘蛛の巣女をとっちめたゲスさMAXな櫻井先生のシーン面白過ぎました 笑 ふざけたシーンもあって笑い死ぬかと思いました 笑 和くんも雅紀くんもゲスさMAXな櫻井先生も杉崎先生も優しすぎる！松本先生も免許取消なって本当に良かった！では最終話読んできたいと思います！ (2016年8月19日 22時) (レス) id: 525ab02d23 (このIDを非表示/違反報告)
あげは(プロフ) - ハルさん» あぁぁぁ…ありがとうございます(ノ_＜。) もうなんか、ありがとうございますしか言葉がありません。書けてるのはみなさんのおかげです、こちらこそ大好きですありがとうございます<(_ _*)> (2016年5月23日 21時) (レス) id: 02b4f5b3a5 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：あげは
| 作成日時：2015年9月5日 4時
