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城でもあるのかと思うくらい、立派な塀が続くなと呑気に歩いていたら、優斗は急に立ち止まった。
「はい、着いた」
「うわ…」
今までの塀が終わり、立派な木の門は固く閉ざされている。
表札に、毛筆で『作間』とあった。
優斗がチャイムを押すと、古風な木の門がスッと自動で開いて優希は驚く。
「は、入っていいの？」
「うん。いんじゃね？」
優斗は慣れた様子で鯉が泳いでいる日本庭園を勝手に横断し、縁側(とでも言うのだろうか)に靴を脱いで上がる。
そして、難解な迷路のように入り組んだ廊下を歩いて、奥の部屋の前で立ち止まった。
「あー…ちょっと、あっちの方で待ってて」
「うん」
優斗は、優希が死角に移動したのを確認するとドアを数回ノックした。
「龍斗、おはよ。入るよ？」
優斗がスッと部屋の中へ消えた。
優希は誰か来ないかドキドキしているが、不気味なほど辺りは静かで、遠くにオフィス街の喧騒が聞こえる。
5分ほど経って、優斗が優希を手招きした。
「優希も入っていいってさ」
部屋は畳敷きで、10畳ほどの程よい広さだった。
椅子に、ガウン姿の少年が体育座りしている。
「紹介するね。こいつ、作間龍斗。B組。
初等科で同じクラスになってから、仲良いんだ。見ての通り不登校児でーす」
「優斗」
龍斗が初めて声を出した。
紹介に不服があったらしく、掠れたボーイソプラノで優斗を非難する。
「龍斗も分かってると思うけど、優希は何も知らないし、悪い奴じゃねーよ？
あ、でも今日サボろうとはしてた」
優斗がいたずらっぽく笑う。
「うん。分かるよ」
龍斗は薄く笑った。
「で、どうだ。行けそうか？」
「うん」
「おー。良いじゃん。無理すんなよ。じゃ、着替え終わったら呼んで」
龍斗の部屋を出る。どことなくこの屋敷には陰鬱な空気が漂う。とても息が詰まる家。
「…B組って、みんなこんななの」
「なワケ。むしろ親の年収なら一番無いんじゃね？旧華族のリーマンもいるし」
「じゃあ、龍斗くんは大金持ち？」
「んー、武家だったってのは知ってんだけど、あとは興味もねーし、知らねー。
龍斗には関係ないし」
優斗の横顔は、ハッとするくらい龍斗への愛情で溢れていた。
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LIKKA(プロフ) - わたがしさん» お返事遅くなり本当に申し訳ありません！ありがとうございます(TT) (2017年8月14日 9時) (
レス) id: 101efce4a6 (このIDを非表示/違反報告)
わたがし - これからも頑張ってください！応援してます！ (2017年7月24日 22時) (レス) id: 35ef0e40d0 (このIDを非表示/違反報告)
LIKKA(プロフ) - わたがしさん» 迷惑なんてとんでもないです。本当に嬉しいです。ありがとうございます！(><) (2017年7月24日 21時) (レス) id: 101efce4a6 (このIDを非表示/違反報告)
わたがし - 初めまして！すごく感動して、最後辺りでボロ泣きしてしまいました。完結してから読んでいるのでコメント出すのご迷惑かな？と思ったのですが、感動し過ぎて書いてしまいました…。 (2017年7月22日 22時) (レス) id: 35ef0e40d0 (このIDを非表示/違反報告)
LIKKA(プロフ) - しぃかさん» しぃかさん！またコメントくださるなんてとっても嬉しいです(o>ω<o)作間くんわたしも大好きです(TT) 本当にありがとうございました！ (2017年5月30日 18時) (レス) id: 101efce4a6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：LIKKA
| 作成日時：2017年5月6日 20時
